J・エドガー
1月28日(土)からMOVIX京都、T・ジョイ京都で公開
大国アメリカを牛耳った
“陰の支配者”の半生とは?
クリント・イーストウッド監督とレオナルド・ディカプリオが初めてタッグを組んだ話題の歴史大作。FBI(連邦捜査局)の初代長官であり、約半世紀もの間、大統領すら恐れるほどの権力を持つに至った男、J・エドガー・フーバーの知られざる内面に迫る。
老いたフーバー長官は、回顧録に取り掛かっていた。振り返れば、さまざまな出来事があった。左翼急進派弾圧のリーダーとしての活躍、有名飛行家リンドバーグの愛児誘かい事件、ケネディ大統領暗殺…。彼はやがて要人たちの個人情報を集めた極秘ファイルを作成し、自らに権力を集中させていくが…。
時には英雄視され、時には狂信的だと非難されるエドガー。この映画では、周囲の人間との関係性が彼を理解する重要な鍵として提示される。過剰ともいえる期待とプレッシャーを与え続けた母親。「結婚には興味がない」とプロポーズを断りながら、長く彼の個人秘書を務めたヘレンや、同性愛的な雰囲気を漂わせる公私のパートナー、クライドなど、彼らの存在が主人公を支え、あるいは押しつぶす。そのクライドがエドガーに真実を突きつける場面は興味深い。もともと童顔のディカプリオに老けメイクはしっくりこないが、ナオミ・ワッツ、ジュディ・デンチともに好演!
(ライター 宮田彩未 )