マーガレットと素敵な何か
1月21日(土)から京都みなみ会館で公開
今の自分と少女時代を結ぶ
愛すべきファンタジー
年明けは、心がふんわりして、でもちょっと切なくなるような、キュートな映画でスタートしましょ。
毎日お仕事をバリバリこなし、結婚間近の恋人がいるマーガレットだが、40歳の誕生日に不思議な出来事が起きる。公証人だという見知らぬおじいさんが現れ、彼女に一通の手紙を渡す。開いてみると、なんとそれは、7歳の自分自身からの手紙。次々に届く手紙は、マーガレットが忘れようとしてきた過去を掘り起こしていく…。
未来の自分に手紙を書くという、少女の想像力の豊かさにまず胸を打たれる。そして、人は年月を重ねていくと、少女時代からずいぶん遠くへ来てしまったことすら忘れ、日常に埋没してしまうのだなと思い知る。この映画を見て、自分の今と昔を行ったり来たりする人はきっと多いと思う。あのころの自分、未来がいっぱいあった自分へのいとおしさがつのってくる。心を開けば、過去はいつもそこにあるのだ。
アイドルっぽいイメージのあったフランスの女優、主演のソフィー・マルソーも、はや40代。愛らしい表情にもそれなりの深みが加わり、同世代の共感を呼ぶ鮮やかな演技を披露してくれる。共演者も味のある顔ぶれ。監督はヤン・サミュエル。
(ライター 宮田彩未 )