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試写室・劇場から

【試写室から 年末Special】 年末年始おすすめ映画

映画館のシートで、大きなスクリーンで、ゆっくりと楽しんでいただきたく、3本を選んでみました。…新年が希望の光に包まれますように。

犯罪劇

哀しき獣

2012年1月7日(土)からT・ジョイ京都で公開 ※15歳未満は観覧禁止のR+15指定

©2010 WELLMADE STARM AND POPCORN FILM ALL RIGHTRESERVED

スリリングに人間の業を映す

中国の朝鮮族自治州でタクシー運転手をしているグナムは、借金に追われ、また、韓国に出稼ぎに行った妻は行方不明という厳しい状況にある。そんな折、韓国へ行ってある人物を殺せば、借金を帳消しにすると言われ、金策と妻探しの一石二鳥を狙うのだが…。

ハードなバイオレンスやカーチェイスシーンを盛り込みながら、しぶとい男たちの、壮絶な戦いを繰り広げる。そこから浮かび上がってくるのは、人間が抱え持つ闇。孤独、愛憎、そして民族的な差別観も含まれる。真実がほのめかされた後、物語は終わったかのように見えて、エンディングクレジットの間に、もう一つの大事な結末が現れる。ハ・ジョンウ、キム・ユンソク出演。ナ・ホンジン監督。

時代劇

幕末太陽傳

12月23日(祝・金)からT・ジョイ京都で公開

©日活

名作が鮮やかによみがえる!

熟年ファンからの支持も厚い、日本映画史に残る傑作がデジタル修復版として、このたび映画館に帰ってくる。天才といわれながらも若くして亡くなった監督の才能と、名優たちの若き日のすばらしい演技が結実した必見の一作。

明治維新を間近に控えた文久2年、色町の品川にある遊郭(ゆうかく)・相模屋を舞台に、破天荒な主人公と、そこに集まる人々のすったもんだを、面白おかしく、人情味ゆたかに描いていて、最後まであきさせない。「居残り佐平次」や「品川心中」など古典落語をいくつか組み合わせて一つの物語にまとめ上げ、限られた空間で展開させた演出力には改めて脱帽。フランキー堺、南田洋子、左幸子、石原裕次郎ほか出演。川島雄三監督。

ロマンス

私だけのハッピー・エンディング

12月17日(土)からMOVIX京都で公開

©2010 Earthbound Films, LLC

悲喜こもごものラストラブ

30歳のマーリーは、広告代理店でパワフルに仕事をこなしつつ、恋愛も適当に楽しんでいるシングルレディー。だが、病院の検診で担当になったイケメン医師ジュリアンから、思いも寄らないがんの宣告を受け、生活の色は一変する…。

自分に残された時間が短いと知ったとき、人はどう生きるのか。だれもが一度は考えることだが、ジュリアンの優しさが、マーリーの天性のユーモア感覚を呼び戻し、周囲にまで光を照らし始める。傷つき悩みながら、やがて死を受け入れ、自分を最も理解してくれる人とのロマンスで最期を飾れたマーリー。短くても濃密な人生の終わり方だなあと思う。ケイト・ハドソン、ガエル・ガルシア・ベルナル出演、ニコール・カッセル監督。

(ライター 宮田彩未 

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