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インタビュー

七條鮒定 専務取締役 木下敬晴(たかはる)さん

「京のうなおこわ3色合わせ」(11個入り4200円・送料別)は
実店舗とネットでの販売。わっぱのパッケージもステキ。
七條鮒定=http://www.kyoto-nanasada.com(撮影:畑中勝如)

家族や仲間と力を合わせ実現老舗が提案する新しい食の形

先月「京都デザイン賞2011」で大賞を受賞したのは、何と、食品! 受賞作の考案者である、老舗川魚問屋「七條鮒定」の木下敬晴さんを訪ねました。



受賞作は「京のおうなりさんとうなおこわの詰め合わせ」。「おうなりさん」は、揚げで包んだおこわにウナギのかば焼きを載せ錦糸卵や野菜で彩りを添えたもの。「うなおこわ」もころころとした愛らしい姿で、包装もカラフル。冷凍食品というスタイルも含め、昔ながらの食材が現代人好みに仕上げられています。

「昔、京料理店で食べた一品が忘れられず、こういうものが作りたいと思っていたのは確かに私です。でも、娘たちもデザイン面などのアイデアを出してくれたし、“おうなりさん”という名前は若社長が考えたもの。中央市場の仲間にも、寿司の優れた冷凍技術を持つ丹後の業者さんを教えてもらったり、アドバイザーとなる料理人さんを紹介してもらったり。いろんな人の協力があって形になったんですよ」

構想から5年以上をかけ、やっと実を結んだこの商品。「何かしたいと思ったら、その思いを忘れずに持っていることが大事だと今回の経験を通して実感しました」。でも、それほどの労力をかけてこの商品を作ったのは、なぜなのでしょう。

これからの個人商店は新しい挑戦が必要

七条大宮に店舗を構える「七條鮒定」。現在は4代目・木下敬悟さんが社長を務め、木下さんの娘・貴美子さんが販売・企画を担当しています。10年ほど前からはネット通販も開始。今回の商品も、ネット通販を念頭に開発されたものです。「今は個人商店で買い物する人がどんどん減っています。いくら店に歴史があっても、先を見越して新しいことをやらないとだめになってしまいますから」

(文・橋本美代 

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