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試写室・劇場から

猿の惑星:創世記(ジェネシス)

TOHOシネマズ二条、MOVIX京都、T・ジョイ京都で公開中

©2011 Twentieth Century Fox Film Corporation

あのSF名作の謎に、
新しいアプローチで迫る

先日、エイズ治療に役立てるため、遺伝子操作により、緑色に光る猫をアメリカで誕生させたという報道があった。何だか複雑な気持ちだ。人間は、そんな領域にまで手を出していいのだろうか、と考えていたら、この映画である。

今もSFファンから熱い支持を受け続けている68年公開の「猿の惑星」は、高度な知性を持つ猿たちに人間が支配される世界を描いた衝撃作だった。その起源を解き明かす本作は、現代の私たちに鋭い警鐘を鳴らしながら、テンポの良い筋運びと、リアルな映像で引きつける。

主人公のウィルは、製薬会社の研究所に勤める若き神経科学者。アルツハイマー病のための新薬を実験用のチンパンジーに投与したところ、驚くべき知能を発揮する。だが、突如暴れ出したため、射殺されたそのチンパンジーの体には赤ん坊が残されており、ウィルはシーザーと名付けて育てることにしたが…。

パフォーマンスキャプチャーという新技術を駆使したシーザーの豊かな表情に魅せられるとともに、その目の奥にある悲しみに打たれる。悲しみは、自然の摂理を理解できない愚かな人間たちに向けられたものだ。ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピントほか出演。監督は、新鋭ルパート・ワイアット。

(ライター 宮田彩未 

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