母親の希望を聞きながら
介護施設の費用などを調べておく
ご主人は、これまで、ご姉妹の学費の工面や、実家へ仕送りをされてこられたとのこと。責任感のある立派な方ですね。さぞ、離れて住む母親のことを、心配されておられるかと思います。
介護の方法には、自宅にいながら訪問介護などのサービスを受ける「在宅介護」と、施設などに入所して介護サービスを受ける「施設介護」があります。
在宅の場合、介護状態の軽い「要支援1」~重度の「要介護5」のいずれかに認定されると、月額約5万~36万円を限度とした介護サービスを利用できます。自己負担は、その1割程度。ただし、公的介護保険の範囲内で在宅サービスを受けながらひとり暮らしを続けられるのは、要介護3が限度ともいわれています。介護度が重くなり限度額を超えたサービスを受けると、超えた費用については全額自己負担に。1カ月の自己負担額が40万円にのぼるケースもあります。
施設の場合、比較的安価な費用で入ることができる特養ホームから、高額な有料老人ホームまで、その種類は多様化、複雑化しています。入居金が不要で、ひと月8~15万円程度(介護度、所得、部屋タイプなどにより異なる)の負担ですむ特養ホームは、全国的に待機者が多く、数年待ちも当たり前というのが現状です。有料老人ホームの場合、入居金0~数億円、ひと月13万~30万円など施設によってかなり異なります。
そもそも、親御さんに対して金銭面でどれくらい支援できるのかは、自分たちの老後の資金計画も含めて考える必要があります。それを踏まえた上で、特に、施設介護に備えて、お母さまの居住地域にどのような施設があるのか? 施設の雰囲気やサービス、待機状況、入居にかかる費用など、今から、お母さまの希望も聞きながら、少しずつ調べておかれてはいかがでしょうか。