博物誌
ジュール・ルナール 岩波文庫・630円
一見ムズカシそうな題名ですが、どっこい、愛らしい一冊なんです
動物、昆虫、鳥、植物など様々な生き物の様子が、フランスの作家ならではの詩的な文章で綴られています。比喩も多く、皮肉とエスプリ、ユーモアたっぷりの表現が読むほどに快感。日本とフランスの文化の違いにも面白さを感じられます。
「庭の中で」では、ひまわりやミツバチなど、たくさんの動植物が思い思いのことを言い合っていて、とてもにぎやか。軽快さが心地良く、お見事!と言いたくなってしまいます。「ちょう」は、たった一行の簡潔な文章ですが、とてもロマンチック。
ロートレックの挿絵でさらに本の世界へと引き込まれ、読者をフランスの美しい田舎へと連れて行ってくれることでしょう。
【紹介者】
大垣書店四条店 池田真里さん
大垣書店四条店 池田真里さん
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