ゲット・ラウド
9月10日(土)からT・ジョイ京都で公開
「青春」の心を歌い続け半世紀、変わらぬ瑞々しさに拍手!
オールド・ロックファンなら、ジミー・ペイジの名を聞いただけで胸がさわぐ。ヤードバーズを経て、60年代後半から70年代に伝説のロックバンド、レッド・ツェッペリンで腕をふるった名ギタリストである。その彼も今や67歳、白髪のすてきなおじさまとなって画面に登場する。さらにアイルランドのロックグループU2のジ・エッジと、ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトという世代の異なるギタリストが加わり、それぞれの音楽観やこれまでの人生について語り合う。音楽好きにはたまらない快作だ。
ツェッペリンの名曲『天国への階段』が古い映像と共に流れるが、それが作曲されたホールや、のちにU2となるメンバーが通い練習していた高校など、ゆかりの場所が映し出され、私たちは彼らと共に過去への旅を共有していく。
愛する音楽に身をささげてきた彼らに対し、敬意が深まるとともに親しみも感じる。特に、お気に入りのレコードをかけながらエアギターまで披露するペイジの顔はまるで音楽少年みたい。エレクトリックギターでの壮絶なセッションに加え、アコースティックギターで『ザ・ウェイト』を競演するエンディングは必見だ。監督は「不都合な真実」のデイヴィス・グッゲンハイム。
(ライター 宮田彩未 )