親からの借り入れは贈与税に注意
貯蓄のゆとりを目安に計画を
ご夫婦で、マイホーム購入という同じ目標に向かって取り組んでおられるご様子がうかがえます。ここまで徹底したムダのない家計管理は、ご夫婦の協力なくしては実現できないでしょう。
まず、金融機関からの2000万円の借り入れについて。返済比率を年収の35%以内、借入期間30年、金利3・0%で計算した場合、借入可能額は約3100万円となります(金融機関によって年収基準や審査金利等は異なる)。ちなみに、この場合の月々の返済額は8万4000円。
次に、親からの借り入れは、贈与とみなされると多額の贈与税がかかってきます。そういった事態を避けるために、①借り入れの証明書(金銭消費貸借契約書)を作成する②最低1%程度の利息は設定する③毎月、銀行振り込みで返済の証拠を残す④親が生存している間に完済できるよう、返済期間は親の年齢が80歳を大幅に超えない程度に設定する等、特に注意が必要です。
その点を踏まえて、仮に返済期間15年、金利1・0%で親から1000万円を借りた場合、返済額は月々約6万円。金融機関への8万4000円を合わせると、14万4000円(年間約173万円)となります。住宅を購入すると、コストとして固定資産税等もかかります。現在、年間の貯蓄額が170万円程度と考えられるため、奥さまが収入を得られるようになるまでは赤字家計になる可能性も。
ご相談者の場合、親への返済を含め最後まで無理なく返済できるかどうかがポイントです。金利の設定や親への返済期間など、条件を変えれば試算も変わりますが、このご時世、甘く見積もるのは危険です。今の収入水準が続いても、住宅ローンの返済に加え、手取り金額の10%程度は貯蓄できるゆとりがあるかをひとつの目安に、マイホーム取得計画を立てられてはいかがでしょうか。