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試写室・劇場から

ツリー・オブ・ライフ

8月12日㈮からMOVIX京都、TOHOシネマズ二条、T・ジョイ京都で公開

©2010. Cottonwood Pictures, LLC. All rights reserved.

ある家族の物語と命の神秘をダイナミックに結ぶ

38年間かけてこれが5作目、それなのにハリウッドのスターたちが出演を熱望し、“伝説の監督”と呼ばれるテレンス・マリック。この最新作では、ショーン・ペンとブラッド・ピットが共演し、本年度カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた。

ビジネス界で成功者としての道を歩んでいるジャック(ペン)だが、その表情はどこか哀切に満ちている。彼の思いは、たびたび少年時代に帰っていく。厳格で父権を振りかざし、情緒不安定だった父親(ピット)、いつもきめ細やかな愛情で包んでくれた母親、そして少年の日々を共に過ごした弟たち。だが、弟の死の記憶がいつまでもジャックを縛っている。

50年代のアメリカ・テキサスを舞台にした家族の喜怒哀楽から、一転して、生命の誕生や進化を追う映像へと移りゆき、これをどう受けとめて良いのか、と目が点になるのだが、天才監督の頭の中は思考回路のスケールが違うのだ。一つの家族に至るまでに、生命が継がれてきたということ、そうして、その家族とは私の家族であり、あなたの家族なのだ。

炎のようにちらちら動く不思議な映像が時々はさみ込まれるのだが、あれは創造主とでも呼ぶべき存在なのだろう、きっと。母親役のジェシカ・チャステインもイイ!

(ライター 宮田彩未 

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