さがしもの
角田光代 新潮文庫・460円
本と人。一つ一つの出合いに意味がある
本書は、本と人との関係がつづられた短編集。まるで人同士の付き合いのように、その人の人生の一部に、本がなにかしらの意味をもって存在しているといった物語が収められています。
たとえば「旅する本」という作品は、主人公がかつて古本屋で売った本と、旅先で偶然に何度も出合う話。読むたびに本の意味が変わっているように感じるけれど、それは自分が変わっているのだと気付く︱。出合うタイミングで印象がずいぶん変わるのは、本も人も同じだなぁと思います。
この本を読んで感じたのは、人とのつながりの大切さでした。今まで以上に、人とも本とも丁寧に付き合ってみたいなと感じました。
【紹介者】
大垣書店四条店 池田真里さん
大垣書店四条店 池田真里さん
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