陰翳礼讃
谷崎潤一郎 中公文庫・525円
くまなく照らす電気を消して、闇が生み出す美しさを味わおう
この本は谷崎潤一郎の生き方やこだわりがよくわかるエッセー集です。
特に本書のタイトルにもなっている「陰翳礼讚(いんえいらいさん)」には、谷崎の日本文化への愛がよく現れています。
この中でいう「陰翳」とは、ろうそくや灯籠のような、小さな明かりがつくり出す陰影のこと。
谷崎は日本には昔から「陰翳」の中で美しさを楽しむ文化があり、漆器や日本女性や歌舞伎、さらに羊羹(ようかん)も、こうした「陰翳」の中で見ることで、より一層その美しさを理解できるといっています。
全てを明るく照らすことでなく、「陰翳」をつくること。「節電」が求められる今だからこそ実践したいですよね。
【紹介者】
エレファントファクトリーコーヒー 畑啓人さん
エレファントファクトリーコーヒー 畑啓人さん
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