ミュージカル「アイーダ」
8月21日(日)まで。大阪四季劇場にて公演中
古代エジプトの死生観をベースに時空を超えるロマンを!
「人は、美しい生き方をすれば、来世で復活できる」という、古代エジプトの死生観から生まれた、人類史上最古の恋愛劇といわれる「アイーダ」。ヴェルディ作の壮大なオペラでも知られるそのアイーダ伝説を、新しい視点から描いたのが、このディズニー・ミュージカルの「アイーダ」である。幕が上ると、そこは現代の博物館。中央に据えられた古代エジプトの石棺の前で、偶然出会うひと組の男女。…と、舞台は一転して古代エジプトへ。強力な軍事力を持ったエジプトの若き将軍ラダメスは、敵国ヌビアの捕虜を連れて凱旋(がいせん)する。彼はその中の一人の女性の高潔さに心ひかれながら、彼女をエジプトの王女であり、彼の婚約者であるアムネリスに献上する。しかし彼女こそ、身分をかくしたヌビアの王女アイーダだったのだ。ラダメスとアイーダとの間に芽生えた禁断の恋。その衝撃的な結末。
シンプルながら洗練された舞台装置や照明、エルトン・ジョンによる楽曲の華麗で力強い歌唱、パワフルなダンス、スピーディーな場面転換などが、劇団四季ならではのアンサンブル(集団演技)の見事さによって、魅力的に生かされている。中でも、かつてジャニーズとして活躍した飯野おさみ扮(ふん)する宰相ゾーザーは圧巻!
(ライター あさかよしこ )