将来の教育費も視野に入れて
財形年金貯蓄などで老後の備えを
ゆとりがあるにもかかわらず、しっかりとコントロールされた家計。支出の中で、唯一気になるのが、「その他」項目の金額が大きいこと。使途不明金がかさんでいる可能性があります。今後はどのようなものにいくら支出しているかを、さらに細かく把握することを心がけてください。
家計を引き締め、まとまった貯蓄ができているので、マイホームの購入に当たってはかなりの自己資金が用意できそうですね。ただし、手元の貯蓄を全額使いきるのではなく、「生活防衛資金」として少なくとも生活費の半年分にあたるお金は残しておきたいもの。ご相談者の場合、最低でも300万円は手元にキープすることを意識しておきましょう。
毎月の家賃と現在の黒字額から考えると、住宅ローンを月々15万円返済しても、家計にはまだ余裕があります。役職定年となる55歳までの完済を希望とのことなので、返済期間15年、金利3%で逆算すると、借入可能額は約2200万円となります。これに、(生活防衛資金300万円を残したとして)頭金1500万円を加えた3700万円前後が、諸費用を含む物件金額のおおむねの目安です。シミュレーションの数字を漫然と見るのではなく、購入後の家計を具体的にイメージした上で、資金計画に無理がないかどうかを慎重に判断してください。
ご相談者も不安を感じておられるように、ご主人と奥さまとの年齢差がありお子さまもまだ小さいため、老後資金は計画的に準備していきたいもの。お子さまの大学卒業時にはご主人の年齢が61歳、退職直前は教育資金の負担によって、ほとんど貯蓄ができないことが予測されます。比較的ゆとりのある現時点から、「財形年金貯蓄」など天引きの金融商品を活用して、教育資金と老後資金をバランスよく確実に増やせるような仕組みづくりを目指しましょう。