ひとりで生きる
堀文子 求龍堂・1260円
びしっとした生きざまが一言一言に込められている
「群れない、慣れない、頼らない、これが私のモットーです」と冒頭に綴られた言葉が好きです。
言葉の主は御歳九十歳を迎えた日本画家。孤独を恐れず、ひたすら自由を愛す女性。本書は、自由と引き換えにひとりで生きることを選んだ著者の甘えのない芯を持った言葉であふれています。
「私はいつも己と一騎打ちをしています。自分で自分を批判し、けり倒しながら生きる」という彼女。とかく、“頑張らなくていい”“ナンバーワンよりオンリーワン”といった言葉にすがる風潮があります。私は真っ平ごめんです。“頑張らなくていい”ではなく、“しっかりせよ”という本書。生涯携行していきたいと思える一冊です。
【紹介者】
月と六ペンス 柴垣希好さん
月と六ペンス 柴垣希好さん
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