300万円は手元に確保しながら
期間短縮型の繰り上げ返済を
共働きでゆとりがあるため、若干膨らみ気味の支出項目もありますが、目的別の貯蓄を確実に行っている点はグッドです。中でも、水光熱費や通信費は上手に抑えることができています。
支出の中でやや比率が高いのが、ご主人のおこづかい。ただし、昼食代や定期代も含んでいて比較的家計にゆとりもあるため、現状維持でOK。学童保育や保育園の費用を含む教育費の負担が重くなっていますが、お子さまの成長とともにこれらの費用は減るため、塾や習い事代などの支出増にも対応できそうです。
生命保険はご主人の死亡保障が1400万円(病気死亡時)、奥さまの死亡保障がほぼゼロとなっており、どちらもやや不足気味です。お子さまの大学進学などを考慮すると、ご主人の死亡保障に1000万円ほどの上乗せが必要。家計に占める収入の比率が高い奥さまにも1000~1500万円の保障が欲しいところです。掛け捨ての保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、ご主人が74歳になるまで住宅ローンの返済が続くのは不安材料。ご相談者もお考えの通り、何らかの対策を進めておきたいですね。いま30〜40代である人たちの老後のお金は、公的年金だけでは不足することが予測されます。退職金はできる限り老後への備えとしたいもの。退職時の完済を目指して、住宅ローンのメンテナンスを行っていきましょう。
ただし、雇用や経済情勢が不透明な今は、半年から1年程度の生活費にあたる貯蓄を手元にキープするのが理想です。ご相談者の家計ならば、300万円の確保を目安にして、さらにゆとりが生まれたら「期間短縮型」の繰り上げ返済をするとよいでしょう。
慌てることなく、現状同様に子どもの教育資金も並行して準備しながら、住宅ローンの残高を少しでも減らせるようがんばってください。