サンドウィッチは銀座で
平松洋子著、谷口ジロー画 文藝春秋・1850円
グッとくるエピソードがスパイス
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春の訪れを告げる山菜の天ぷら、絶好の生ビール日和、50年以上続いた大衆食堂最後の日、文人の歩いた「ミナミ」の街並。食に関するエッセイが収録された本書ですが、つづられる味の本質はどうやら食材や調理法のことだけではないようです。
気温や天気、同席した人との会話やその日にあったちょっとした出来事。食事を楽しむということはそんなささやかな記憶と切っても切りはなせないと著者は言葉少なに語ります。
日常にあるちょっとうれしいおいしさを紹介し続ける著者による名人芸。本書では漫画家、谷口ジローによる美麗なスケッチも添えられ、おいしさ増量しております。
【紹介者】
恵文社一乗寺店 堀部篤史さん
恵文社一乗寺店 堀部篤史さん
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