檀
沢木耕太郎 新潮文庫・500円
愛人と暮らした「火宅の人」檀一雄
妻の側から見た彼の姿とは―
この作品は著者が「火宅の人」で有名な作家・檀一雄の夫人から話を聞き、その姿を描き出すというものです。
檀一雄といえば太宰治とともに破滅派、無頼派というイメージが強く、愛人や放浪の言葉が浮かんできますが、この作品で夫人から語られる檀一雄は少し違います。
身勝手ではあるが家族や周りの人を愛していたこと、さらに家族や周りの人からも愛されていたことがわかります。
文中で夫人は答えています「あの世でも檀のもとに行きたい」と。
自分の気持ちに正直に生きること、出会ったすべての人に誠実であること、それらを実践し愛された「檀」という男の潔さをぜひ知ってください。
【紹介者】
エレファントファクトリーコーヒー 畑啓人さん
エレファントファクトリーコーヒー 畑啓人さん
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