ロビン・フッド
12月10日(金)からTOHOシネマズ二条、MOVIX京都、T・ジョイ京都で公開
中世西洋の歴史を盛り込んだ わくわくの大スペクタクル
ロビン・フッドとは、弱きを助け、強きをくじいたという伝説上の義賊で、吟遊詩人によって広く語り継がれた。このなぞの多い人物を主人公に、リドリー・スコット監督が、再びラッセル・クロウとがっちり組んで作り上げた壮大な物語。手に汗握る戦闘シーンに、波乱の多い宮廷陰謀劇、繊細なラブストーリーもからみ合い、ぜひスクリーンでこそ味わってほしい作品である。
12世紀末、十字軍兵士としてフランスで戦っていた弓の名手ロビンは、死にゆくイングランドの騎士ロバートから、領地ノッティンガムにいる父ウォルターのもとに剣を届けてほしいと頼まれる。約束を果たすため、ノッティンガムを訪れたロビンだが、ウォルターから意外な提案が…。
武骨だが、高潔な心を持ち、また、失った記憶のトラウマを抱えているロビンを、マッチョタイプのクロウが演じ切っている。相手役のケイト・ブランシェットは、よよと泣きつくお姫さま役なんて似あうはずがなく、そこまでやりますかあと驚くぐらい、しっかり“応戦”している。
『グラディエーター』もそうだったが、スコット監督は、こういう歴史ものには特別のこだわりがあるのだろう。山と谷の作り方、人物の配し方もおみごと。久しぶりに英雄伝を楽しんだ。
(ライター 宮田彩未 )