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試写室・劇場から

大奥

11月28日(日)まで、大阪松竹座で公演中

豪華絢爛さに秘められた悲哀を、迫力たっぷりに!

このところ、ちょっとした「大奥」ラッシュらしい。この舞台もまた、スーパー時代劇として高視聴率を続けたTVドラマ「大奥」を舞台化した、豪華絢爛(けんらん)な時代劇絵巻である。

江戸末期の大奥。ペリーの来航で日本中が揺れ動く中、公武合体論が唱えられ、第十四代将軍・家茂(金子昇)のもとへ、京の宮家から和宮(安達祐実)が降嫁してきた。しかし家茂をでき愛する生母・実成院(多岐川祐美)はそれを快く思わず、和宮との間で熱い火花を散らす。そんな中でも、大奥総取締の瀧山(浅野ゆう子)は、常に毅然(きぜん)としたふるまいを崩すことなく大奥を納めていく。しかし、実は彼女にも、ある秘められた慕情が…。やがて長州では倒幕運動が起き、大奥も激動の時を迎える。“女のろう獄”といわれた大奥に身を投じた女たちの、時代に翻弄(ほんろう)され、愛に揺れる姿が迫力いっぱいに伝わってくる。

圧巻は何と言っても、浅野ゆう子の、過剰ともいえる(褒め言葉です!)演技と存在感。彼女が豪華な打ち掛けを翻しながら登場するたびに、思わず「浅野ッ!」と声を挙げたくなるほど男前(!)だ。登場人物たちの、とてつもなく豪華な衣装や、重厚感のあるアーティスティックな舞台美術の見事さも必見。

(ライター あさかよしこ 

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