生涯にかかる住居費を考えれば、
早急に持ち家を手放す必要はなし
夫の収入が減少しても、子ども手当には手をつけず、毎月4万円の貯蓄ができているのはお見事!700万円の貯蓄残高があり、これまでに2度、住宅ローンの繰り上げ返済を実行されていることからも、堅実な家計管理が身についておられると、うかがえます。
家計で、特に気になるのは夫の保障。がん保険のみ加入で、死亡保障の備えがありません。万が一の場合、生活費は貯蓄、遺族年金、妻のパート代でカバーできます。団体信用生命保険により、持ち家のローン返済も不要になりますが、子どもの教育資金として、1500万円程度の保障を用意したいところ。
例えば、子どもの成長とともに保障が逓減していく収入保障保険であれば、保険金額8万円/月(65歳まで)の設計で、約1700万円(一括受取時)の保障が確保できます。保険料は、ネット専用保険を利用したり、それ以外でも非喫煙健康体に該当すれば、3500円程度で加入できそう。
ご相談の持ち家を売却すべきかについては、現在の住居に住み続けた場合、今後かかる費用総額を計算してみると、借入残高1100万円+総利息約260万円(2・2%固定金利)+固定資産税270万円(平均6万円/年×45年)=1630万円となります(修繕費別途)。一方、賃貸の場合、仮に家賃3万円/月×12カ月×45年=1620万円(敷金・更新料など別途)。
つまり、月3万円以下の賃貸物件に住まなければ、居住費の負担軽減につながりません。現状、そんな家族向け物件を探すのは厳しいでしょう。
今のところ、手取り収入に占める住宅ローン割合が25%を超えていないことや、貯蓄ができる余裕があることから、持ち家を手放す必要はないと思います。今後、夫婦の収入が増える可能性もあるので、今のやりくりをキープしつつ、様子をみてはいかがでしょうか。