
寺院にあるふすまや掛け軸には、絵画が描かれているものも。拝観とあわせて美術作品もチェックしてみては。
大覚寺
18面に広がる様子が見応えあり
大覚寺の宸殿(しんでん)の中で、最も格式の高い「牡丹の間」を飾る「牡丹図」。北側・東側・西側の計18面、全長約22mにわたるふすま絵です。安土・桃山時代に活躍した絵師・狩野山楽による作品で、金地に淡いピンクのボタンが大胆に描かれています。隣の石との筆致の対比が印象的。実物は、例年春と秋に同寺の霊宝館で開かれる名宝展で鑑賞可能(今年は秋季のみの開催)。

- 〈拝観時間〉午前9時〜午後5時(受付は4時30分まで)。無休
- 〈拝観料〉大人500円、小中高生300円
※「お堂エリア」の料金。「大沢池エリア」の料金はホームページを参照 - 大覚寺(右京区嵯峨大沢町4、市バス「大覚寺」停下車、徒歩すぐ)、TEL:075(871)0071
総本山醍醐寺
葵祭の臨場感が伝わってきます
総本山醍醐寺・三宝院にある「葵の間」。北側の壁一面と東側のふすまには、下鴨神社から上賀茂神社へ向かう、葵祭の様子を描写した「葵祭図」(複製)が飾られています。
見たままを忠実に描くという、写実性の強い画風が特徴の江戸時代の画家・石田幽汀(ゆうてい)の作とされています。実物は同寺の霊宝館で保管、公開されることもあるとか。

- 〈拝観時間〉2025年2月28日(金)までは午前9時〜午後4時30分。
2025年3月1日(土)~12月7日(日)は午前9時〜午後5時
※受付は各30分前まで。無休 - 〈拝観料〉一カ所拝観券(大人600円、中高生400円、小学生以下無料)
※2025年3月20日(祝・木)~4月20日(日)は、大人800円、中高生600円、小学生以下無料 - 総本山醍醐寺(伏見区醍醐東大路町22、地下鉄「醍醐」駅から徒歩約10分)、TEL:075(571)0002
退蔵院
将軍の問いを絵で表現
小さなヒョウタンを使って大きなナマズを捕えようとする男性。その姿をユーモラスに描いた掛け軸が「瓢鮎図(ひょうねんず)」(模本)。退蔵院の本堂で見られますよ。
室町幕府4代将軍・足利義持が「ナマズをヒョウタンで捕まえられるか」という禅の問いを画僧・如拙(じょせつ)に描かせ、31人の禅僧たちに答えを漢詩で書かせたのだとか。ヒョウタンでナマズを捕らえるというたとえで、禅問答の難しさが表現されています。

- 〈拝観時間〉2025年2月28日(金)までは午前9時~午後4時。2025年3月1日(土)〜12月中旬は午前9時〜午後5時 ※詳細はホームページを参照。無休
- 〈拝観料〉高校生以上600円、小中学生300円、小学生未満無料
- 退蔵院(右京区花園妙心寺町35、市バス「妙心寺前」停から徒歩約3分)、TEL:075(463)2855
圓徳院
唐紙の模様を生かし、能登の雪景色に
安土・桃山時代の画家・長谷川等伯による、「山水図襖絵」。春夏秋冬を表した水墨画で、圓徳院ではその内の4面「冬の絵」(複製)を本堂のガラスケースで展示。豊臣家の家紋・桐の模様が入った唐紙に、墨で等伯の故郷・能登の雪景色を表現。もとは他の寺院にあったふすま絵で、当時の住職に制作することを何度も断られていたにもかかわらず、住職が留守のすきに一気に描きあげてしまったという話が伝わっています。

- 〈拝観時間〉午前10時~午後5時30分(受け付けは5時まで)。不定休。2025年2月18日(火)・19日(水)休
- 〈拝観料〉大人500円、中高生200円、小学生以下無料
- 圓徳院(東山区下河原町530、市バス「東山安井」停から徒歩約7分)、TEL:075(525)0101
(2025年2月15日号より)
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