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花園の住宅街に交流拠点ができました

右京区花園にある一軒家。ガラス戸には英語で大きく「IIJIMA Edu.Station(イイジマ エデュ ステーション)」と書かれています。戸を開ければ、そこは人々の交流場所。名前が英語というのにも理由があるようですよ。

「退職して時間に余裕もできました。この場所での出会いを楽しみにしています」と史郎さん(右)。柳子さんも「音楽を聞いたり読書をする、文化的な場にしたい」と話します

5月、自宅で「IIJIMA Edu.Station─子育て・教育と生き方と国際の語り場─」を開いたのは飯島史郎さんと妻・柳子(りゅうこ)さん。柳子さんが高校で英語の教員をしていることもあり、家には教え子たちがよく訪れているそうです。

「でも、自宅だと遠慮してしまう人もいて。もっと開放的なスペースにして、集まりやすい場所をつくりたいと思ったんです」(柳子さん)

史郎さんも「町内会の副会長を務めたときに、地域の人が集える場所があれば」と感じていたといいます。

そして、昨年の史郎さんの退職を機に、2人は2年間温めてきたという計画を実行。自宅の一室を改装し、20人ほどが集まれる交流拠点を誕生させました。午前10時~午後5時の間は出入り自由、イベント時以外は利用無料です。

13人の参加者で部屋はいっぱいに。「柳子先生の教え子なんです。またこうした国際交流のイベントをしてほしい」とは、友人と3人で訪れていた深井彩佳さん(左から3人目)

取材日には「ルクセンブルクと中国のお話を聞く会」というイベントを開催。講師はルクセンブルク出身のパトリック・バンセノさんと、妻で中国出身の馬娜(まな)さんです。「2人は娘の友達。国際交流もこの場所の目的の一つなんです」と柳子さん。だからここの名前も英語なんですね。

「ルクセンブルクの面積は佐賀県より少し広いくらい。ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語の3つが公用語なんですよ」と、流ちょうな日本語で説明するパトリックさん。

馬さんも日本語で、中国について話します。「地域によって食文化が違い、北部は米、南部は麺類が主食」(馬さん)と食の話題が出て、「日本の中国料理はどうですか」「私にはちょっと甘く感じますね」と参加者とやりとりする一幕も。

参加していた石橋由識(よしのり)さんは「ここへ来るのは2回目。いろいろな人と出会えるので楽しいです」と充実した時間を過ごせたようでした。

9月からは読書会も

教員歴35年以上という柳子さん。還暦を迎えた今も教壇に立ちながら、この場所を盛り上げようと張り切っています。

「8月もお話し会を実施。今度は外国人ではなく、盛岡市の動物園で働く教え子が講師の『動物園飼育員のお話を聞く会』です。留学経験もある人なので、仕事と海外生活の話をしてもらいます」(柳子さん)。そのほか「パパ・ママの子育てを語る会」も行うとか。

また、9月からは毎月第2日曜日に読書会も開催。池澤夏樹さん個人編集の「世界文学全集」(河出書房新社)を取り上げていく予定です。どんな会になるのでしょうか。

「感想を自由に語り合ってもらいますが、読まずに来るのもOK。日本語に翻訳されているので読みやすいと思いますよ」と柳子さん。

出入りはこのガラス戸からどうぞ

奇数月はこの「世界文学全集」、偶数月には英語で書かれた本を取り上げるとのこと。

「動物園飼育員のお話を聞く会」は8月16日(日)午後4時~6時。読書会は9月13日(日)午後2時~4時。どちらも参加費500円。

「IIJIMA Edu.Station─子育て・教育と生き方と国際の語り場─」(右京区花園巽南町15-2)の問い合わせは史郎さん=TEL:075(465)1985=へ。不在の場合があるので、来訪時は連絡するのがおすすめ。

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