スポーツを楽しむシニアたち

2026年10月2日 

リビング編集部

少しずつ秋めき、運動しやすい季節。長年スポーツを続けている読者にアンケートを取ると、さまざまな体験談が。その中から、70歳を超えてますますスポーツを楽しむ3人を訪ねました。

写真/中尾泰晴ほか

「コートを走って、ボールを打ち返せると気持ちいいんです」

そう話すのは、硬式テニス歴約30年の井上容子さん。大会では、主に女子ダブルスで参加しています。テニスのレッスンは週2〜3回。

「最初は子どもと一緒にクラブに入って気ままにやっていました。それから誘われて大会にも出るようになって」と井上さん。40代前半から本格的に試合に参加し、初出場で関西大会ベスト4に。

「いつの間にか選手になった、という感覚ですが、勝負事が楽しくて。試合が近付くと、ペアを組んでいる同年代の選手と動きを確認したり、一緒に練習をしたりしています」

長く続けるための体力づくりも。水泳、ゴルフ、スキーなどを行っているそう。「1年前に股関節を痛めたんです。でも、テニスが好きだから早く復帰したくて、リハビリをしながら少しずつ体を動かしています。もし今後辞めることになっても、観戦などは続けたいですね」

ほかにもテニスをきっかけに変化が。

「各地の大会に参加するので、他府県にたくさん友達ができました。旅行のときに会って話したりと、縁が続いています」

井上さんは、所属する「ロイヤルガーデンテニスクラブ」(京都市)でシニアリーグを主催。同世代のプレイヤーが交流する機会を作っています
試合中の井上さん。軽やかな足取りでボールのもとへ走り、ラケットを振ります

鎌田寛さんが続けているのはソフトボール。宇治の「大開小学校PTAソフトボールクラブ」に所属して35年になる、ベテランプレイヤーです。

「社会人になってからソフトボールを始めて、仕事の休憩時間に毎日やっていました。その後、大開学区に引っ越し、近所の人に誘われてこのチームに入ったんです」

ポジションはライトやセカンド。かつては監督を務めたこともあるとか。月3〜4回ある練習にも毎回参加しています。「参加することが健康維持につながってます。ストレス発散にもなるね」と鎌田さん。チームメイトを相手にバッティングや送球する姿は、70歳オーバーとは思えないほど様になっています。

ソフトボールのグラウンドは硬式野球より小さめ。「年を取ると、遠くまで走るのも大変。このくらいのサイズだから体力的に合っていて、長く続けられているのかも」

取材中、終始笑顔で練習に取り組む鎌田さん。チームメイトの鷲見(わしみ)さんからは「鎌ちゃんはチームのムードメーカーで、精神的支柱です」との声も。

「僕にとってソフトボールは〝遊べる時間〟。試合の勝敗も、球を打つことも、チームで集まっての飲み会も楽しいですよ」

チームには鎌田さんより年上のメンバーもいるそうで「まだまだがんばりたい」とにこやかに語ってくれました。

「社会人チームは年齢関係なく人が集まるから、友達の範囲も広がりました」と鎌田さん
この日はバッティングや守備練習が中心。鎌田さんがバットを振ると、芯を捉えたボールが遠くまで飛んでいきました

腕まくりをすると、左腕には力こぶが!
木村公一さんが取り組んでいるのは、砲丸投げです。

昨年福岡で実施された「全日本マスターズ陸上競技選手権大会」では、80〜84歳クラスで2位。来年開催される「ワールドマスターズゲームズ2027関西」にも別種目を行う息子と一緒に参加予定です。

「80〜84歳クラスが投げるのは、重さ約3㎏の鉄球。腕の力だけではなく体をひねって全身で球を押し出すのが、遠くへ飛ばすコツです」と、記者に投球時の構え方を実演してくれました。「砲丸投げがお好きなんですね」と伝えると、「昔から続けてるだけだからなぁ」と照れた様子。

木村さんは中学生時代から陸上競技の投てき種目全般を行い、社会人時代は砲丸投げで実業団にも所属していたそう。スポーツトレーナーや健康づくり教室の講師として働くようになってからは控えていましたが、知人の誘いを受け、75歳から年に数回、各地の大会に参加するように。練習は月1回程度、府外の競技場に赴いています。日頃の体力づくりには筋トレや散歩も欠かしません。

「大会に出ると、若い頃のライバルや恩師と何十年かぶりに再会することも。新しい知り合いも増えました。今は試合の成績より、人との出会いが続ける理由かな」

「少しずつ筋肉は衰えているけど…」と話す木村さんですが、腕まくりすると、この力こぶ。足腰のふらつきもなく、イキイキとした姿です
2025年開催の「全日本マスターズ陸上競技選手権大会 福岡大会」中の様子

読者アンケートでは、そのスポーツの魅力や練習頻度など、たくさんの声が集まりました。その中からいくつかをピックアップ。

※2026年8月にアンケートを実施。有効回答数526

  • ゴルフは体への負荷が少なく、長く続けられます。毎週練習し、月に3回ほどラウンドも回っています(МS・66歳)
  • バドミントンを練習しています。年に何度かは団体戦にも出場。世代の違う仲間と目標に向かって競技することや、勝った喜びや負けた悔しさを共有できるのがうれしいです(YМ・63歳)
  • 二つのグラウンドゴルフクラブに入っており、週に3日はゲームに参加しています。失敗があっても自己責任だから、楽しんでできます(KT・92歳)
  • 健康維持のために、40年間、早朝のジョギングを続けています。ジョギングと筋トレを週3回行い、マラソン大会にも参加。ジョギングをしないと、何か忘れ物をしたような気持ちになり、落ち着きません(ST・67歳)
  • アーチェリーは高齢になっても体力に応じて続けられます。異なる職業や年齢の友人もでき、クラブに参加することが楽しい。個人競技なのでストイックに得点アップを目指すことが性格に合っています(TY・64歳)
  • 大学時代からテニスを続けていて、毎年目標を決めて練習。大学時代のテニスサークルのOB戦に参加したとき、先輩や後輩から「サーブが良くなった」とか「ボレーが上手くなった」と言われてうれしかったです(YМ・69歳)
  • バレーボールが好きで、ソフトバレーボールも行っています。娘も同じチームでやっているし、仲間もいる。長く続けられます(OK・68歳)

(2026年10月3日号より)