
2025年12月6日号の特集「地域の〝気になる〟を調べてみました」では、読者から寄せられた〝地域で不思議に思っていること〟を調査しました。今回はその第2弾。新たに募った疑問を記者が調べてきましたよ。

京阪「木幡」駅と「六地蔵」駅間に高架下の高さが1.2mしかない場所があります。なぜこのような造りになっているのでしょうか(宇治市/NS)

疑問に上がった高架下には、京阪「木幡」駅から北方面へ徒歩で約10分進むとたどり着きます。実際に見ると、思っていたよりも低い! くぐってみると…。うわぁ、頭を打ちそう! 記者が慎重になる一方、この道をよく通っていそうな人たちは慣れた様子でくぐっていきます。自転車やバイクを降りて通る人も、同じようにさっと通り抜けていました。
この場所について、宇治市に問い合わせたところ、「『宇治市歴史資料館』に聞けば、昔の資料などから分かるかもしれません」とのこと。そこで同館学芸員の大塚朋世さんに話を聞きました。
「明治期の地図で確認すると、かつてここは木幡池に枝状につながる池でした。1913年に京阪『中書島』駅から『宇治』駅を結ぶ宇治線が開通する際、その池の上に線路が橋のようにかけられたそうです」と大塚さん。恐らくこの時点では、線路までの高さは1.2m以上あったと考えられます。「詳しい時期は分かりませんが、1970年代〜1980年代の宅地造成に伴い現在の道ができたことで、線路と道の幅が狭くなったのでしょう」
この地域に住む人に話を聞いてみました。「通りにくい道ですが結構人が行き来していますよ。電車の音が聞こえたら、通り過ぎてから渡るようにしています」

線路が池の上に橋のようにかけられた後、線路下に新しく道が作られたからだと考えられます。

南区にある、久世西小学校の学区内の道路にカエルのイラストが描かれています。全部でいくつあるのでしょうか(南区/IC)

「どこにカエルがいるのかな」と思いながら歩いていると、JR「桂川」駅東口から約150m進んだところで、1匹目を発見。さらに約200m先の久世西小学校まで行ってみると、横断歩道の手前や「止まれ」の道路標示付近など、あちこちにカエルが。ここまでの道のりだけで20匹見つけました。「これはかなり多そうだ!」と探すのが楽しくなってきた記者。その後、周辺を歩き、最終的に50匹以上に出合いました。
取り組みを始めた「久世交通対策協議会」の小西武男さんに聞くと、現在は約280匹だそう。この取り組みは子どもの安全を守るために始まったもので、1971年から現在まで続いています。当初は約310匹でしたが、通学路の変更などに伴い、現在の数まで減少しました。
ところで、なぜカエル? 小西さんは「昔は田んぼから道路にカエルが飛び出してくることが多かったんです。〝人間は飛び出す前に安全を確認できるように〟という思いを込めてカエルのイラストを描きました」と話します。
基本の大きさは45cm。表情は落書きに見えないように統一されています。1匹のところもあれば2、3匹描かれている場所も。交差点角など危険性が高い所には複数いるのだとか。さらに、地域の人で塗り直しを行う際、子どもたちが普段通る危険そうな道には、小さいカエルが書き足されていることもあると小西さん。こうして地域全体で通学路を守っているんですね。

カエルのイラストは約280匹。久世西小学校付近にはたくさんのカエルが描かれていました。

御香宮神社のこま犬には片方だけ角が生えています。ほかに片方だけ角が生えているものを見たことがないのですが、なぜでしょうか(伏見区/SK)

質問にあったこま犬が置かれているのは拝殿前。「御香宮神社」の河野那海(なみ)さんに角がある理由を尋ねてみました。
とその前に、こま犬についての説明が。「読者の方は、『こま犬の片方』とおっしゃられていますが、実はこま犬と呼んでいるのは左側の口を閉じている『吽形(うんぎょう)』。角が生えているのはこちらです。右側の口を開けているのは『阿形(あぎょう)』という獅子。今は2体で一つと捉えられていますが、本来は別々の霊獣です」
元々、インドから中国、朝鮮半島を経て日本へ伝わり、平安時代以降、この2体を見分けやすくするために角が付けられるようになったのだとか。角が厄を払う力を強めるという考え方もあったそうです。
江戸時代になると、こま犬は職人によってさまざまな姿で制作されるようになります。形に細かな決まりはないため、現在では角のないものが多く見られるのだそう。「御香宮神社の拝殿前の2体は、江戸時代に制作されましたが、平安時代の特徴を取り入れられたのでは」と推測します。
ちなみに、角のあるこま犬は全国的には珍しいものの、京都には見られる神社もありますよ。

平安時代、こま犬と獅子を見分けやすくするために制作されたという歴史から、角が生えているのではないかとされています。

地下鉄「烏丸御池」駅と「丸太町」駅の中間あたりに扉・窓のない謎の建物が建っています。20年以上前から気になっているので、調べてほしいです(中京区/SI)

SIさんが気になっていたのは、烏丸二条の交差点にある白とれんが色の外観をした建物。手掛かりがないので、まずは近くの不動産店に聞いてみることに。「たまに交通局の人が来ていますよ。その人たちに聞いたら分かるかも」と教えてくれました。
「京都市交通局」に問い合わせたところ、建物は「二条中間換気所」であることが判明しました。地下鉄のトンネル内を換気するために、内部の空気を外へ送り出すところで、1981年の地下鉄開業当初から稼働しています。残念ながら中に入ることは出来ませんでしたが、「京都市交通局」の担当者が換気所について教えてくれました。
「『二条中間換気所』のような地上の換気所は、全部で16カ所の駅間に設けられています」。形やデザインは当時の設計者が、町の雰囲気に合わせてデザインしたのだとか。ですが、「二条中間換気所」のデザインの由来は今となっては分からないそうです。
烏丸通で窓やドアのない建物を見つけたら、地下鉄沿線の換気所かもしれませんね。

建物の正体は、地下鉄のトンネル内を換気する「二条中間換気所」でした。

千本今出川の交差点に桜の木があるのですが、北東の木だけ元気がなく、枝数も減っているように思います。何か理由はあるのでしょうか(上京区/YR)

毎年この桜を楽しみにしているYRさん。
この交差点には四つの角に桜の木があるのですが、見比べると確かに北東角の木は少し小さく見えます。そこで、「北部土木みどり事務所」に聞いてみました。
「街路樹は通行人や標識、街灯の邪魔にならないよう、必要に応じて剪定(せんてい)しているんです。北東角の木は、2020年に枯れた部分を剪定した記録が残っています」とのこと。桜の木の状態については、木の内部を侵食する原因となるキノコなども見られず、特に心配されるような様子はないそうです。
この場所に限らず、町ではさまざまな街路樹を見かけますが、近隣の木でも差が出ることがありますね。そこで、「京都府立植物園」の樹木医・中井貞(ただし)さんにも写真を見てもらい、木の生育について聞きました。「一般的に街路樹は、土壌の状態や日当たりなど、周囲の環境によって根が伸びる範囲が異なります。そのため、同じ種類の木でも生育の仕方に違いが出ることがあります」と中井さん。
植物も育て方や環境で大きく変わるもの。同じ桜の木でも違いが出るのは、それぞれの環境に応じて育つからなのかもしれません。

定期的に点検を行い、剪定しているため、小さくなった可能性が考えられます。
(2026年9月5日号より)
最新の投稿
おすすめ情報
- カルチャー教室
- アローズ
- 求人特集
- 不動産特集
- 京都でかなえる家づくり
- 医院病院ナビ
- 海洋散骨
- 高齢者向け住宅 大相談会
- バス・タクシードライバー就職相談会in京都
- きょうとみらい博









