“酸っぱいもの”が体にいい理由とは

2026年8月28日 

リビング編集部

酸っぱい食べ物は体にいいと聞きますが、どういった効果があるか知っていますか。栄養学の面から専門家に話を聞きました。他の食材と組み合わせることによるメリットもあるようです。

イラスト/オカモトチアキ


疲労回復や免疫機能アップ、 代謝にも影響があります

レモンや梅干しを、酸っぱいものの代表として思いうかべる人も多いのでは。

「これらの酸味は同じクエン酸由来です」と教えてくれたのは京都光華大学健康栄養学科教授の青山敏明さん。

「ただ、かんきつ類の中では、レモンよりシークワーサーやライム、カボスの方がクエン酸の含有量は多く、酸味も強いんです。いずれも効果としては、運動時の疲労へのアプローチがあげられます。運動する前の摂取で抗疲労の、運動後の摂取で疲労回復の効果があります」

ヨーグルトも酸味を感じます。

「乳酸菌が作り出す乳酸によるものです。『激しい運動をすると体に乳酸がたまって疲れる』などと、かつては疲労物質と考えられていました。しかし、近年、疲労回復をサポートするエネルギー源として評価されるように。また、乳酸菌は腸内環境を整え、免疫機能を上げる作用もあります」

調味料である酢はどうでしょう。

「どのような種類の酢にも含まれる酢酸が酸っぱい要因。酢酸はエネルギー源として、疲労物質の代謝を促進します」

かんきつ類、梅干し[成分]クエン酸[効果]抗疲労・疲労回復
ヨーグルト[成分]乳酸[効果]疲労回復、免疫機能アップ、酢[成分]酢酸[効果]疲労物質の代謝を促進

一緒に食べることで、食材の栄養効果を高める働きも

上で紹介した効果のほか、酸っぱいものには、さまざまな食材に含まれている栄養素の効果を高める働きもあります。

「梅干しやかんきつ類などに入っているクエン酸は、カルシウムや鉄、亜鉛といったミネラルの吸収を促進してくれます。体に溶けにくいミネラルがクエン酸と出合うことで、吸収されやすくなるのです。

他の食べ物の微生物の増殖を抑える作用も。食中毒の予防になります。梅干しが入っているお弁当をよく見ますが、理にかなった組み合わせなのです」

梅干しが触れる面積が増えるように、ご飯の上に散らして入れるのも良いですね。

「ヨーグルトに含まれる乳酸は食前に食べることで、食事による血糖値の急な上昇を抑えられます。ただ、乳酸菌は胃酸に弱いため、腸内環境を整えたい場合は胃が中和されている食後の方がおすすめです。

また、酢酸を含む酢を食事に取り入れることでも血糖値の上昇をゆるやかにします。最新の研究では、酢酸を多く取る人は炭水化物などの摂取が少なくなる傾向がある、とデータで示されました。

ほかに、塩味を引き立たせるため、減塩にも役立ちます」

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梅干し

シラスなどの小魚や玄米にはカルシウム、レバーやホウレン草には鉄分といった、豊富なミネラルが含まれています。梅干しを玄米に乗せて食べたり、ホウレン草と和えたりすることでミネラルの吸収率を良くしてくれるのだとか。

「疲労回復効果のあるタウリンが多く含まれる、貝類との食べ合わせも良いです。クエン酸が吸収率を上げることで疲労回復に相乗効果が見られますよ」。梅干しをつぶして作った和風ソースを、ホタテ貝にかけてカルパッチョにするのも良いですね。

なお、梅干しは「塩分が多いため、1日1〜2粒を目安に」とのこと。

レモン

鉄分を多く含んでいるカツオのたたきにレモンをかけて食べると、効率よく鉄分を吸収できます。

「まだ暑さが残る季節に良いのが、水に塩とレモンの絞り汁を入れること。高温な環境では水分と同時にミネラルの補給も重要に。クエン酸で吸収をサポートしましょう」

エネルギー効率をアップさせる酢と豚肉の組み合わせ。豚肉に豊富なビタミンB1の吸収を酢酸が促進してくれるそう。また、酢には肉をやわらかくする効果もあります。

「ですが、酢酸は歯のエナメル質を傷めてしまうことがあります。酢を水などで割って飲む時は薄めて、歯に触れないようにストローを使いましょう。飲んだ後に水ですすぐことも効果的です。空腹時や胃酸の分泌が減る就寝前は、胃が荒れやすいので避けるようにして」

ヨーグルト

ヨーグルトとフルーツは食べやすい組み合わせ。ウンシュウミカンの食物繊維は、ヨーグルトの乳酸菌のエサとなります。乳酸菌が増加することで、腸内環境を整えるとか。

「ただし、キウイとの組み合わせには注意を。キウイに含まれるアクチニジンがヨーグルトの成分を分解するため、混ぜてしばらく置くと苦みが。一緒に食べる際は直前に混ぜ合わせるようにしましょう」

京都光華大学
健康科学部長
健康栄養学科教授
食共創研究所長
青山敏明さん

酸っぱい食べ物ではキウイやアセロラにも注目を。これらもクエン酸などが含まれています。

(2026年8月29日号より)