
〝大学のまち〟といわれる京都。複数の大学で、大人が参加できる公開講座を実施しています。さまざまな経験をしたからこそ生まれる〝学びの意欲〟をバックアップしてくれています。
撮影/鈴木誠一
読者が体験しました
キャンパスで行われる現地講座、パソコンやスマートフォンから受講できるオンライン講座に、読者2人が参加。どんな雰囲気なのか体験しました。
現地で体験
学生に戻った気分も味わえます
6月、京都女子大学で実施された食物栄養学科の公開講座に参加したのは前田さん。教室には、幅広い年代の男女約350人が集まっていました。
講座は2部制。第1部は学内教授による腸内細菌の話、第2部は学外の精神科医を招いた精神医療の話。「生活習慣病・精神栄養学から考えるメンタルヘルス」をテーマに、食事が体に及ぼす影響について解説されました。ユーモアたっぷりの講師の語り口に笑い声が起こったり、時折出されるクイズに受講者が手を挙げて参加したり。
「もともと興味のあるテーマなので似たようなセミナーを受けたことがありますが、専門的な講義は初めて。臨床結果を中心とした話で、説得力がありました」と前田さん。
「料理を作るときに気を付けたいポイントもあったので、子育てに生かしたいです」
途中休憩を挟み、120分の講座はあっという間に終了。「学生に戻ったような気分を味わえて、飽きることなく話を聞くことができました」



参加したのは
前田さん
1年前に京都に転居。「今後は、京都に関する講座に参加してみたいです」
広報担当者の一言
「本学では現地講座を中心に実施しています。キャンパスの雰囲気を体感したり、講師と対面でやり取りをしたり。現地講座の魅力を感じてください」(京都女子大学 地域連携研究センター・小椋さん)
オンラインで体験
自分のペースで受講でき、忙しい人にも便利
立命館大学の「立命館土曜講座」は、受講形式を現地とオンラインから選べます。
今回オンラインで参加したのは、同大学出身の佐野さんです。取材をした7月は「子どもの声を聞く社会を目指すために」がテーマ。この日は、98人からオンライン参加の申し込みがあったそう。講座が始まると、パソコンには現地会場と同じスライドが表示され、講師が登場。家庭内で起こる子どもの虐待の実情や、地域の人にできることについての話が。
佐野さんが驚いたのは、講師の話をリアルタイムに文字で伝える〝文字通訳〟(字幕表示)。現地の会場にも表示されています。これは、すべての人が平等に情報を受け取れるようにという同講座独自の取り組み。聞き慣れない言葉の理解にも役立ちそうです。
「社会人になってからの授業1コマ分は長く感じますね。でも、オンラインなら家からも参加できるので、今後も継続して受けやすそう。忙しい人にも便利だと思います」
同大学では、講座の見逃し配信も。当日都合が悪くなった人も自分のペースで受講できます。


参加したのは
佐野さん
「仕事のためにオンラインセミナーに参加したことはありますが、公開講座は初体験です」
広報担当者の一言
「本学の公開講座は1946年にスタート。現地・オンライン参加を可能とするハイブリッド形式を基本とし、多様なライフスタイルに対応しています」(「立命館土曜講座」事務局・堀さん)
学び続けることが生活の質にも影響
2人の読者が参加した「公開講座」。大学などの教育機関が、専門知識を一般公開する機会となっています。
読者にアンケートを取ったところ、受講したことがある人は1割弱という結果に。なかなか機会がない人が多いようです。
一方で、受講経験者からは「テレビや新聞・雑誌で見聞きしたことがあるテーマを扱った講座だったので、情報の更新ができた」(ММさん)、「町内の防災委員をしていたから、防災関係の講座に参加。今後の取り組み方の参考になった」(KKさん)など、学びにつながったという声が。中には「分かりやすい講義だった。大変よく理解できたので、何度も行くようになった」(HIさん)と、リピーターも。ほかにもどんな魅力があったのか、下記に体験談を紹介しています。
大人になってからも学びの場が開かれていることに対して、京都女子大学の小椋さんは「市民の皆さまに生涯学習の機会を提供し、知的好奇心の充足や生活の質の向上に寄与することは、大学の重要な役割の一つ」と話します。
「公開講座では、地域課題や現代的な社会問題を取り扱う場合も。学術的な知見をわかりやすくお伝えすることを心掛けています」
また、「立命館土曜講座」事務局の堀さんは「年齢や立場に関わらず学び続けることは、個人の満足感だけではなく、社会全体の活力にもつながると思います」と。京都府内の4年制大学・短期大学は40校以上。専門分野などを生かした講座が多数開かれています。この環境を有効活用したいですね。



今は、9月以降に行われる公開講座の情報が続々と発表される時期。講座が実施予定の大学を、ピックアップして紹介します。
無料・有料問わず、さまざまなテーマの講座が用意されているので、〝学びの秋〟に参加してみては。詳細は各大学のホームページから確認を。
京都女子大学
〈日程〉9/1(火)
〈テーマ〉防災への備え(講義+応急手当のミニ実技)
〈料金〉無料
〈問い合わせ〉京都女子大学 連携推進課=TEL:075-531-7080
立命館大学
〈日程〉9/12(土)
〈テーマ〉伝統的町並みとユニバーサルな安全対策
〈料金〉無料
〈問い合わせ〉立命館大学 「立命館土曜講座」事務局=TEL:075-465-8224
花園大学
〈日程〉9/29(火)〜12/22(火)※全7回
〈テーマ〉『禅とこころ』 盤珪(ばんけい)禅師「不生の仏心」について/「無関門(むかんもん)」に学ぶ/禅語/ブッダの生涯/水墨画の思想と型
〈料金〉有料
〈問い合わせ〉花園大学 地域連携教育センター=TEL:075-811-5181(代)
佛教大学
〈日程〉10/5(月)〜2027年3/1(月)※全6回
〈テーマ〉生成AIと考える新規事業
〈料金〉有料
〈問い合わせ〉佛教大学 オープンラーニングセンター=TEL:075-366-5511
京都先端科学大学
〈日程〉10/7(水)
〈テーマ〉第12回KUAS京都先端セミナー「AI時代にヒトは何を学ぶのか」
〈料金〉無料
〈問い合わせ〉京都先端科学大学 社会連携支援室 =メール:ccsc@kuas.ac.jp
京都薬科大学
〈日程〉10/25(日)
〈テーマ〉光免疫療法:光と免疫による患者にやさしいがん治療/地域で支える医療のしくみ〜在宅医療と薬剤師の役割/薬用植物ってどんな植物?
〈料金〉無料
〈問い合わせ〉京都薬科大学 総務企画課=TEL:075-595-4600
京都大学
〈日程〉12/6(日)
〈テーマ〉京大知の森「2050年の地球、私たちの居場所はある?─自然と社会の持続可能な未来」
〈料金〉無料
〈問い合わせ〉京都大学 成長戦略本部社会連携推進担当=メール:event@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
(2026年8月1日号より)
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