私たちモノ作りに夢中です

2026年6月5日 

リビング編集部

趣味は〝モノ作り〟。そんな読者5人を紹介します。ジャンルは異なるものの、モノ作りにかける熱い思いは共通! 作品を完成させる過程も楽しんでいましたよ。

撮影/桂伸也、山﨑晃治ほか

リメイクはすべて、こちらのミシンで。「作り始めてから、外出着はほとんど買っていないんです」

すてきなセットアップを着て、自宅で出迎えてくれた加藤信子さん。「これは、初めて自分で作ったものなんですよ」とにっこり。加藤さんの趣味は着物を洋服にリメイクすること。12年ほど前、海外のパーティーに出る機会が増えたことがきっかけでした。

「何を着ようか考えたとき、たんすの肥やしになっていた着物でドレスを作ることを思いついて。洋裁の知識は少しあったので、型紙を買って作り始めました。和服生地のドレスということで海外では随分喜ばれましたね」

作るたび周りからは高評価。「『どこで買ったの?』と聞かれると、『メイド・イン・ノブコよ』なんて言ってました。友達が何て言ってくれるかな、どこに着ていこうかなと考えるのが楽しいです」

これまでに作った洋服を見せてもらうと、幾何学模様だったり、チェーンのような柄だったり。

「個性的なものが好き。タンスの中からおしゃれな着物を見つけては、『こんな柄の着物を買ってたんだ。私、でかした!』って自分をほめています」

思いは両親へも。「着物の多くは昔、親が買ってくれたもの。そろえてくれたことに感謝しています」

今、挑戦しているのは織物。「自分で織った生地で洋服を作りたくて」。今年の冬の完成を目指しています。

呉服店で購入した反物で着物を作り、7年ほど経ってからリメイク。「柄の向きを上下で変えたのがいいでしょ?」
自宅の一室が工房に。手にしている木材がルアーの原型。左上ではカットした木材を乾燥させていますが、よく見ると…。「洗濯物を干すハンガーを使っています」

小学生のときからバス釣りが好きだった細見英宏さんは、足しげく琵琶湖に通っていたそう。

「バスは石や倒木などの障害物に隠れる習性があるのですが、そういった場面で自分が思い描いたように使える市販のルアーが見当たらなくて。そこで、ないなら作ってしまおうと。ルアー製作の世界にはまっていった理由です」

ルアー作りの工程は、デザイン制作、木材のカット、コーティング塗装。

「と言うと簡単そうに思えますね。でも、少し細くしただけ、中に入れるおもりの位置をずらしただけなど、ちょっとしたことでガラッと変わるんです」

試作したルアーの〝試験場〟は自宅の浴室。浴槽に浮かべて何度もバランスや動き、水の抵抗などを確認するといいます。こうした過程を細見さんは研究開発と呼んでいるとか。

「一つ一つ丁寧に作って、『これならいける』と思ったもので魚が釣れたら…。それはもう、叫びたくなるほどうれしいです。自分の研究は間違ってなかった! そんな気分です」

ですが、「実は、ものすごくうまく出来て大満足という物よりも、ちょっと失敗した物の方がよく釣れるんです(笑)。なぜなんでしょうね」。

ルアー作りは小学6年生から。一時期、ルアーの制作会社を立ち上げていたこともあるとか。手前右は、ブルーギルを模したリアルなカラーに塗装されています
立体感を出すため、竹串に花びらを巻く作業中の吉村さん。スカーフに付けている黄色いブローチも、もちろん手作り。「洋服に合わせて選ぶのも楽しみの一つです」

「新聞紙で作ったというと、みんなに驚かれるんです。それが楽しくて」。吉村由喜子さんが新聞紙で花のブローチを作り始めたのは約18年前。〝捨てる前の一工夫〟として、知り合いに作り方を教えてもらったそう。準備するのは文字が入っていないカラー紙面を切り取った、サイズの異なる5枚の長方形。4枚を花びらに、1枚を軸(めしべとおしべ)にします。

使いやすそうな紙面を見つけた時にカットし、ストックしているという吉村さん。「出来上がりは紙面の色合いに左右されるので、どう組み合わせようかと考えながら切り取っています。文字が少ない、全面のカラー広告があるとやった!って気持ちになりますね」

10年ほど前からはアレンジを加えて制作することも増えたとか。

「写真で見たスプレーギクを再現したときは、細い花びらがたくさんできるように切り方を変えました」

最近は、お菓子の包装紙などでも作ることがあるのだそう。

「きれいな色の紙は捨てられません(笑)」

「これまでに作った数は500個以上。なので、これはほんの一部です」。知り合いに頼まれて結婚式用のコサージュを作ったこともあるそう
磯部さんが手にしているのは、自身の銀婚式の記念撮影でドレスを着用した際に作ったブーケ。「好きなバラを主役にしました」

8年前、プリザーブドフラワー(保存のための特殊加工を施した生花)作りを体験した磯部亜衣さん。「予想以上にかわいくできた」ことから教室に通い始め、作り方をマスターしたといいます。

「プリザーブドフラワーは、もちろん市販されています。でも、手作りだと色・デザインにこだわって思い通りのイメージに仕上げられます」

この良さを生かした作品は数知れず。特に思い出に残っているのはウエディングブーケです。長男夫婦、同僚のために手掛けたものだとか。

「衣装の色やリクエストに合わせて作りました。新しい人生が幸せなものであるように、これからもよろしくね、という気持ちを込めて。めっちゃ喜んでもらえました!」

現在は夫婦2人暮らしの磯部さん。

「予定がない休日は、2人並んで、私はプリザーブドフラワー作り、夫は趣味のプラモデル作りをすることも。『こんなん出来たよ』なんて見せ合っています」

磯部さんには夢があるそう。

「子ども向けのワークショップを開きたい。お父さんやお母さんへのプレゼントを作ってもらったり、友達同志で過ごしてもらったり。定年後が楽しみです」

初孫のために作ったのはプリザーブドフラワーを飾ったヘッドドレス。「お宮参りとお食い初めで使ってもらって幸せでした。新米ばぁばからの初めてのプレゼントです」
制作は、気分が乗るので音楽を流しながら。「好きなロックバンドの曲のほか浪曲やクラシックをかけることも。クラシックは、ビーズアクセサリー作りのきっかけをくれた母が好きだったんです」

3歳のころ、母親が材料を買ってくれたことから始まった太田こずえさんのビーズアクセサリー制作歴。

「いつの間にか48年。作ることは息をするのと同じような感覚です。今は、主に仕事終わりの夜に制作しているので疲れますが、作れない日が続くほうがしんどい。ビーズに向き合う時間は無心になれるので、頭はすっきりするんです」

そんな太田さん、小学3年生のころにピンチを迎えます。

「勉強がおろそかになるほど制作に夢中になり、親から禁止令が発令(笑)。でも、作れなくなったことで体調を崩してしまったんです。もう仕方ないとばかりに、すぐに解禁になりました」

こうして数々のアクセサリーを作ってきましたが、意外なことに自分ではあまり着けないのだそう。

「〝作る〟こと自体が好きなんです。手作り市や知り合いへのプレゼントのために作ることは多いですね」

モチベーションは、〝思い出づくりのツール〟になること。

「私が作ったアクササリーを身に着けてお出かけしてもらえると思うと励みになります。そして、時間がたってもアクセサリーを見るだけでその楽しい思い出がよみがえってくる。そんな思い出を呼び起こすツールになればうれしいですね」

これまでに作った作品。右写真の安全ピンを使用したブローチは太田さんが初めて手がけたものだとか

今回、モノ作りに打ち込む人を5人取材しました。皆さん、モノづくりの話になるとウキウキ、生き生き。「こんなものも作ったんですよ」「これは思い出深くて…」と、さまざまな作品を見せてくれました。仕事や家事で忙しくても、時間を作って制作に打ち込んでいる皆さん、とてもすてきでした! これから、どんな作品が出来上がるのか楽しみです。

(2026年6月6日号より)