捨てる前に知っておきたいごみのこと

2026年4月24日 

リビング編集部

家庭から出るごみの中には、最近資源として注目されていたり、事故の原因になっていたりするものが。捨てる前に知っておきたいことを紹介します。

役立つ!

使用済みてんぷら油がバイオ燃料に

「SAF(サフ)」(注)という言葉を聞いたことがありますか。これは、次世代の航空燃料として注目されている〝バイオ燃料〟のこと。その原料は、穀物や藻類などさまざま。使用済みてんぷら油もその一つです。

「廃棄される油を燃料として再利用することは、CO2排出量の削減だけではなく資源の有効活用につながります。脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速する中、バイオ燃料で車や飛行機を動かそうという動きが全国で広まっています」

そう教えてくれたのは、京都府内でバイオ燃料の製造を行う「レボインターナショナル」の広報・奥村佳澄さんです。

京都府内にあるレボインターナショナルの工場

同社は飲食店やスーパー、食品工場などからてんぷら油といった廃食用油を回収。「まず、ろ過して不純物を取り除き、専用設備で油とメタノールなどを混ぜます。すると化学反応が起き、燃料として加工できる状態に。油1ℓがほぼ同量の燃料になるんですよ」。京都工場では1日3万ℓを製造。ディーゼル車や農機、発電機などの燃料に使われています。

日本で消費される燃料のうち、バイオ燃料の割合は数%と、欧米に比べて少ないそう。そのため、バイオ燃料の普及を目指し、現在は回収拠点の拡大や、企業・自治体との連携に力を入れているといいます。

(注)Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)の略称

京都市のごみ収集車。バイオ燃料をアピールするステッカーが貼られています

京都市は全国に先駆けて1997年から使用済みてんぷら油の回収・燃料化に取り組んでいます。

回収拠点は区役所・支所や自治会の集会所など1645カ所。「市民にとって身近なものに、目に見える形で資源を循環させたい」との思いから、全国でもいち早くごみ収集車や市バスにバイオ燃料を活用しています。2024年度は12万ℓが回収され、再利用されました。

※2025年度の情報

「ライフスタイルの変化などで家庭における揚げ物の調理頻度が減少していると推測され、回収量も減少傾向に。回収拠点に持ち込むことで環境保全に貢献できることを、改めて知っていただきたいです」(同市職員)

京都市のほかにも、各自治体で無料回収が行われています。

てんぷら油の回収拠点

※そのほかの回収場所、回収方法、受け付け時間などは各自治体の公式ホームページで確認を

危険!

充電式電池の普及でごみ処理時の発火事故が急増

最近、モバイルバッテリーが発火したというニュースを見る機会が増えていますね。

「ごみ処理場でも、誤って捨てられた充電式小型家電の発火が問題になっています」と、「リサイクルセンター長谷山」の所長・山内皇太郎さん。同施設は、宇治市・城陽市など京都南部の家庭から出る粗大・不燃ごみを処理しています。

「当施設で起きた発煙・発火は、2025年度で710回以上。主な原因はモバイルバッテリーやハンディファンなどに含まれる小型充電式電池です。充電式電池は、強い衝撃や圧力が加わると内部で発火することが。事前に取り除ききれなかったものが、処理過程で破砕機の衝撃で発火してしまうのです」

充電式電池の一種で、比較的長持ちするリチウムイオン電池が急速に普及。さまざまな製品に使用され、同施設ではこの5~6年で発煙・発火件数が8倍に。他施設では、ほかのごみに延焼して大規模な火災が起きたケースもありました。

「ごみ処理場以外でも、ごみ収集車や自宅、ごみ捨て場で火災が起きる危険が。正しい捨て方を知り、分別に協力していただけたら。各自治体に、小型家電の回収ボックスが設置されています」

ごみ処理場のコンベヤ上で発火した様子。コンベヤには消火ホースが設置されており、職員がすぐに消火します

JBRC(注)に加盟している家電量販店やホームセンター、消防署でも回収しています。回収できる電池の種類、小型家電のサイズは各所で異なるため、事前に確認を。

一般的に、単三電池などの充電式電池は、電池切れまで放電したのち、製品から取り外して金属の端子部分を絶縁テープで覆います。しかし、加熱式たばこやスマートフォンなどバッテリーが埋め込まれている小型家電は、分解せずにそのまま回収拠点へ持参する必要があります。下記が、充電式電池が使われている小型家電の一例です。

「バッテリーが膨張して変形してしまった家電は、発火の危険があり回収できない拠点も。その際は、自治体の窓口で対応してもらえる場合があります」(山内さん)

(注)「一般社団法人JBRC」は、小型充電式電池メーカーや同電池使用機器メーカーによる団体。小型充電式電池の回収・リサイクル活動を行っています

京都市役所内の小型家電回収ボックス

分解せずに回収拠点へ持参を

ほかにも…携帯電話やタブレット、スマートウオッチ、ワイヤレスイヤホン、電気シェーバー、電動歯ブラシ、デジタルカメラ、携帯・家庭用ゲーム機など

充電式小型家電の回収拠点

※そのほかの回収場所、回収方法、受け付け時間などは、各自治体公式ホームページから確認を

リサイクルセンター長谷山
所長・山内皇太郎さん
(3月時点の役職)

ごみとして捨てるものの中には、ほかにも資源として再利用できるものや、誤って捨てると危険なものが。各自治体は、ごみの収集日や分別方法を公式アプリやウェブページで公開しています。左記はその一例。ごみの捨て方に迷ったら確認してみて。

居住地域を設定することで、収集日や分別方法などを確認・質問できます。ごみの収集日を通知する機能も。

【問い合わせ】
京都市資源循環推進課
TEL:075-222-3946
https://kyoto-kogomi.net/sanr/

ごみの分別方法や捨て方を調べることができます。居住地域を設定することで収集日の通知も可能。

【問い合わせ】
宇治市まち美化推進課
TEL:0774-20-8692
https://www.city.uji.kyoto.jp/soshiki/3/33790.html

居住地域を設定すると、収集日のカレンダーを表示できます。分別方法の検索、粗大ごみの回収申し込みも可能。

【問い合わせ】
向日市衛生環境課
TEL:075-874-2189
https://www.city.muko.kyoto.jp/site/shinsei/3277.html

居住地域を設定すると、収集日のカレンダーを表示できます。通知機能付き。台風や緊急時の収集情報も随時配信。

【問い合わせ】
長岡京市環境業務課
TEL:075-955-9689
https://www.city.nagaokakyo.lg.jp/0000005910.html

ごみの分別方法、捨て方を調べることができます。居住地域(西部・東部)を設定することで、収集日の通知も可能。

【問い合わせ】
城陽市環境課ごみ減量推進係(衛生センター)
TEL:0774-53-1400
https://www.city.joyo.kyoto.jp/0000001804.html

ごみの品目ごとに分別方法、捨て方を検索できるサイト。チャット形式で質問も可能。

【問い合わせ】
久御山町住民課生活衛生係
TEl:075-631-9917
https://www.town.kumiyama.lg.jp/0000004955.html

最寄りの資源ごみステーションの収集日や、ごみの品目から分別方法を調べることができるサイト。

【問い合わせ】
大山崎町経済環境課清掃環境係
TEL:075-956-2101(代表)
https://oyamazakitown.5374.jp/

(2026年4月20日号より)