地域で広がるアーバンスポーツ

2026年3月27日 

リビング編集部

ブレイキン、スケートボード、ダブルダッチ、3x3(スリーエックススリー)。アーバンスポーツと呼ばれるこれらの競技は、オリンピックの正式種目に採用されているものもあるなど、注目が高まっています。そこで、京都での広がりを取材。練習場所を訪ねると、子どもや若い世代が生き生きと活動する姿を目にしました。

撮影/深村英司、山﨑晃治ほか

ブレイキンは個人またはチームでダンスバトルを行うスポーツのこと。選手は音楽に合わせて即興でダンスを披露し、創造性を競います。2024年のパリオリンピックで初めて正式種目として採用されました。

音楽に合わせてピタッと技が決まっています

「オリンピックを機に、CMやミュージックビデオなどでよく使われるようになったことで、ブレイキンに興味を持つ人が増えたように感じています」と話すのは、京都に拠点を置くブレイキンチームのメンバーで、ダンススクールの講師も務めるYOPPY(ヨッピー)さん。

「以前はスクールに見学に来て、実際に練習を見てからブレイキンを選ぶ人が大半でした。今は、最初からブレイキンを希望する人が目立つようになりました」

2028年度から京都市が進める市立中学校部活動の廃止及び京都版「地域クラブ」の設置(※)の影響を受け、小・中学校のダンスの授業でブレイキンを教える機会も多くなっているとか。

「初心者には、まずは基本のステップや足さばきから指導します。練習を重ねるうちに、回転などのアクロバットの技ができるようになる子もいますよ」

YOPPYさん指導のもと練習に励んでいた中学1年生の男性は、「小学1年生で習い事を検討したときに、自分の個性を出せるダンスに魅力を感じて。ブレイキンはバトルが楽しい。皆で踊ることでアドバイスもし合える」と話します。独創性を発揮でき、チームで向上できるスポーツなのですね。

※中学校の管理下で行われてきた部活動を廃止し、地域や民間団体の指導のもと、学校の枠を超えた新たな「地域クラブ」を設置する取り組み

バトルの様子。中学生の2人は陸上部や吹奏楽部などの部活と並行して週2、3回スクールに通っているそう
過去に京都市内で行われたイベントでの様子

前後に車輪が付いた板に乗って技を行い、その難易度や高さ、スピードなどを評価する競技です。オリンピックの正式種目に初めて採用されたのは、2020年東京大会でした。

階段の段差もジャンプで乗り越えます
「宝が池アーバンスポーツパーク」のメインパーク。中央の斜面は鴨川の流れをイメージして造られています ※施設内のパーク以外での滑走は禁止されています
「宝が池アーバンスポーツパーク」には高さ約3.3mのハーフパイプも

日曜の昼下がり。宝が池公園運動施設内の「宝が池アーバンスポーツパーク」には、小学生を中心にした大勢の子どもたちがスケートボードに取り組む姿が。

「約20年前に南区に火打形(ひうちがた)公園スケートボードパークが誕生して以来、京都市ではスケートボードを楽しむ人が多いように思います」とは、一般社団法人京都市スケートボード協会代表理事の今井さん。

「以前は不良のイメージを持たれることもありましたが、オリンピックの正式種目に採用されてから、周囲の見る目が変わってきていると感じています。地域の小学校で体験会を行うことも増えました」

火打形公園に加えて、市内の北のエリアにも拠点をと、2025年4月に開設されたのがこの施設です。

当日練習に来ていた伏見区在住の小学4年生の女性は、「スケートボードはSNSで見て『かっこいい』と思い、昨年から始めました。これからもっと上達したい」と話します。

記者が「怖くない?」と聞くと、「全然!」と言う子どもたち。「高く跳べたときが楽しい」と熱中する理由を教えてくれました。

近隣に住む小学4年生の男性は、「ここに来ると、皆がたくさん教えてくれます。放課後に毎日来ているけど、全然飽きない」とのこと
初級者から上級者まで楽しめる「火打形公園スケートボードパーク」

交互に2本のロープを回し、その中でダンスやアクロバットを交えて跳ぶ縄跳び競技。2人の回し手と跳び手の呼吸を合わせ、技の難易度や表現力などの総合点をチームで競います。

「ジャンプするのが楽しい」と話す子どもたち

2本のロープを跳びながらステップを踏んだり、アクロバットを披露したり。「集中力やリズム感に加え、チームで技を完成させる過程で協調性が育まれます」と、ダブルダッチ専門スクールの運営などを行う有限会社オーバーサンプ関西支社代表の見島さんはその魅力を語ります。

京都での歩みは、2000年に立命館大学で誕生したサークルから。その後、京都産業大学や同志社大学など他大学でもサークルが設置され、2008年には関西初のプロチームが発足したといいます。

「現在、スクールの京都エリアのクラスに約100人の子どもたちが通うなど、ジュニア層へも裾野が広がっています」

生徒からは「ダンスやジャンプなど、いろいろな要素があって面白い!」と言う声も。なかには大会で活躍する選手もいるとか。

2025年6月には西京極総合運動公園内の「スポーツベース西京極」に練習スペースが開設。プロの練習場所に加え、教室の開催場所としても活用されています。「雨天でも練習できる」と好評なようです。

飛び手と回し手が入れ替わるのもダブルダッチの特徴
ダンスパフォーマンスも重要な要素に

3人ずつのチームでハーフコートを舞台に競うバスケットボール。2007年に国際バスケットボール連盟が正式競技種目として認定。2020年の東京オリンピックで正式種目に。

1試合10分で行われるそう

ハーフコートで競技できることから、商業施設や公園などでも実施しやすい3×3。まちで見かけたことがある人もいるのでは。

「京都では2019年に平安神宮前でプロリーグの試合が開催されるなど、『見せるスポーツ』として人気を博してきました」とは、京都を拠点にするプロチーム「京都BB」の近さん。

2022年には京都橘大学にクラブが創設され、さらに京都市市民スポーツ会館でプロ選手から直接学べる小中学生対象のスクールが開校するなど、次世代の育成が進んでいます。

「スポーツベース西京極」やサンガスタジアムに専用コートも登場。2024年には京都初のプロアマ混合試合も開催され、プロと大学生やアマチュアの交流が図られています。

「3×3は個々のスキルと判断力が磨かれる競技です」とは、「京都BB」の選手
地域の小学生に向けた体験会も開催されています(写真提供/じげん)

(2026年3月28日号より)