
機械音が響く空間、ベルトコンベヤーを流れる製品、真剣なまなざしで作業をする人たち。そんなものづくりの〝現場〟に触れられる工場見学に出かけませんか。見たり、感じたりすることで、いつもの商品が少し違って見えてくるかもしれませんよ。
※いずれも見学は無料、要予約
撮影:山﨑晃治ほか
体験もできます
素早い目配り、手さばきであっという間におしぼりが
タケバタ商事
左京区の住宅街に立つ「タケバタ商事」。ここは、ホテルや飲食店で使われる布おしぼりを扱う会社。配送・回収に加え、洗浄を行っています。工場では洗浄の様子を見学できるとのことで、読者の藤原京子さんと藤原悠世(はるせ)君(9歳)と出かけました。

まずは社長の竹端さんに案内され、白衣に着替えて2階の「クリーンルーム工場」へ。洗浄後のタオルを手作業で折り、おしぼりを作る場所です。
見ていると、大きなベルトコンベヤーの両側に立つスタッフが1枚ずつタオルを手に取り、手元で両面を確認。二つに折って小型のベルトコンベアーに流すと、くるくると巻かれ、あっという間に筒状のおしぼりに。


「やってみますか」と竹端さん。早速、悠世君も体験します。丁寧に端をそろえて折ったつもりでしたが、きれいな筒状にならず…。どうやら途中でずれてしまったよう。それでも挑戦するうちにコツをつかみ、きれいなおしぼりが完成しました。


京子さんは「短い時間で汚れをチェックするのが難しい」とコメント。というのも、〝両面を見る〟過程で汚れが残っていないかなどを目視しているのです。「皆さん、一瞬でチェックされていることに驚きました。熟練の技ですね」
洗浄は100kg対応の洗濯機で
この後向かったのは、1階の洗浄現場(希望者は見学可)。100kg対応の洗濯機での洗浄やスタッフによる最終チェックが行われています。
記者はここで一つ疑問が。なぜすべての作業を機械化しないのでしょう。竹端さんに聞くと、「人の目でないと気付けないことがあるからです。洗剤量も汚れ具合によって微調整しているんですよ」と語ってくれました。

見学を終えた京子さんは「今までは何でも気にせずに拭いていたことも。汚れを落とす大変さを知り、拭いていいものと駄目なものを考えないと」と話していました。「いろいろな機械を見たり、おしぼりを折ったりできて楽しかった」とは悠世君。外食時、おしぼりを手にするときはスタッフの丁寧な仕事ぶりを思い出すかもしれませんね。
見学申し込み
タケバタ商事(京都市左京区田中南大久保町12)=TEL:0120(76)0550。午前9時~午後6時、木日休。1人から可、無料。申し込みは電話で。ホームページ(https://takebata.com/blogs/news/post-882/)からもOK
「一般見学会」開催中(月〜金)
自動搬送車や顔認証システムなど自動車造りを支える技術に注目
ダイハツ工業 京都(大山崎)工場
「ここが組み立てエリアです」とスタッフ・竹内さんの案内で始まったのは自動車を生産する「ダイハツ工業 京都(大山崎)工場」の見学です。組み立てと検査、塗装の順で回ります。
作業フロアを見下ろすように作られた廊下を進みながら見学。隔たりがないため、作業音がダイレクトに聞こえてきて臨場感たっぷりです。

組み立てエリアでは、流れてくる車にエンジンなど約3万点の部品の取り付けをしています。見学ルートを進むうちに、床の黒いライン上を台車のようなものが移動していることに気が付きました。黒いラインは磁気テープで、自動搬送車の「AGV」がラインに沿って部品を運ぶそう。


さらに進むと、エンジン音やクラクションの音が聞こえてきました。検査エリアです。ここでは、時折、作業スタッフがスマートフォンに顔をかざしています。
「1台ずつの検査を行うたびに顔認証をしています。有資格者が検査をしているという証しです」
最後の塗装エリアは窓越しに見学をします。ボディも車内の細かい箇所もすべて機械が塗装する点が特徴。

こちらの工場では、人と機械が〝それぞれでしかできないこと〟を行い、一台の車を作っているのだなと改めて感じました。

見学申し込み
ダイハツ工業 京都(大山崎)工場(乙訓郡大山崎町字下植野小字北細池1)=TEL:075(956)1105。土日休。見学は1日2回(午前10時~・午後1時45分~)。「一般見学会」は2026年8月21日(金)まで開催予定。1人から可、無料。申し込み・詳細はホームページ(https://www.daihatsu.com/jp/facilities/hw/KYOTO_C.pdf?channel=main)から
伏見の名水の試飲も
「麹室」が特徴の日本酒も、
五つのタンクで仕込むビールも一度に
黄桜 伏水蔵
お酒好きな人にうれしい施設が「黄桜 伏水蔵」。日本酒だけではなく、ビールの製造工程も見学できます。
製造の都合で酒造りがされていない場合があるものの、最初にビデオを鑑賞するので工程を把握した上で見学に臨めますよ。
まずは日本酒の工程を見学できる5階の「麹室(こうじむろ)」へ。米こうじを造る「床」と、そのこうじを寝かせる「棚」に分かれています。どちらも一面、杉板張り。調湿性と香りがこうじ造りに適しているそうです。

続いてはビールの製造工程を見学。4階に行くと「麹室」と雰囲気が変わり、長いベルトコンベヤーが目を引きます。こちらは缶充填(じゅうてん)・箱詰めなどを行うエリア。見ると、5、6人が箱の組み立て作業中。これから箱詰めがされていくようでした。

2階へ降りると、ふわっとビールの香りが。ここ、醸造エリアにある五つのタンクで、糖化やろ過などの段階を経てビールへと仕上がっていきます。
最後は、2階のショップで酒造りに使われている伏見の名水「伏水」を試飲できるとのことで、記者も一口。この水が日本酒やビールになるのかと、じっくりと味わいました。

見学申し込み
黄桜 伏水蔵(京都市伏見区横大路下三栖梶原町53)=TEL:075(644)4488。午前10時~午後4時、年末年始・お盆休(臨時休館あり)。1人から可、無料。申し込みは電話で。詳細はホームページ(https://kizakura.co.jp/husimigura/)から
南丹市まで足を伸ばして
成分、味、香りなど、いくつもの
検査を経て乳製品が手元へ
雪印メグミルク 京都工場
京都市内から車を走らせること約40分。自然に囲まれた南丹市にある「雪印メグミルク 京都工場」での見学はスタッフの案内のもと進み、通路の窓から生産の様子を見渡せます。
充填室に向かい、「あ、これ知ってる」と思わず声が出たのは「雪印コーヒー」。なじみのある「雪印コーヒー」がレーンを流れる様子を見ていると、装置がピカッ。賞味期限の日付けが印字されているかを確認しているのです。さらに気になったのは、一部の商品を運ぶスタッフの姿。検査室に持っていくところなのだそう。

見学を通して驚いたのは、想像以上に検査が多いこと。脂肪分などを調べる成分検査、味や香りを確かめる官能検査…。「ここまで何度も確認するの?」と思うほど、工程ごとに細かく検査されていました。
そして記者が一番印象に残ったのは「パレタイズ室」。人の姿はなく、積み上げた製品が倒れないようにラップで梱包(こんぽう)し、その製品を冷蔵庫へ運搬する二つの作業が機械によって進められます。

スタッフに「何か聞こえてきませんか」と言われて耳を澄ますと、アニメやテレビ番組のテーマソングが。作業に合わせて、流れる曲が変わっています。人がいなくても、どの作業をしているのかが分かるように工夫しているとか。先ほどまで厳しい検査が行われていたとは思えない、その遊び心にギャップを感じました。

見学申し込み
雪印メグミルク 京都工場(南丹市八木町美里紫野1)=TEL:0771(43)2150。見学は1日2回(午前10時~・午後1時30分~)。火土日祝・年末年始休。1人から可、無料。申し込みは電話で。ホームページ(https://www.meg-snow.com/fun/factory/kyoto/)からもOK
(2026年3月7日号より)
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