給食の知恵をおうちで活用

2026年2月13日 

リビング編集部

子どもの頃、多くの人が味わった給食。今、その献立やレシピが注目を集めています。人気の理由は、限られた予算で、栄養バランスを考慮した料理がそろうところ。物価高の今、家計と健康を守る給食の知恵を食卓に取り入れてみませんか。

イラスト/フジー

1日に必要な栄養素の1/3を摂取できる給食。1食約300円の予算で作られているそう。家庭でも応用できる給食作りのノウハウについて、長岡京市の小・中学校の献立を作成している長岡京市教育委員会の管理栄養士・林さんに聞きました。

「献立にはなるべく〝赤・黄・緑・白・黒〟の5色を取り入れています。5色そろえることで、見た目だけではなく栄養バランスも整うからです。家庭では特に〝黒〟を意識するとよいでしょう」。ヒジキなどの海藻類を活用することで、不足しがちな鉄やカルシウムを補給できるとか。

「主菜や副菜を決めるときには、歯応えのある料理も取り入れましょう。よくかむことは、歯の健康にも大切です」

地元で生産される食材を使うことも大切にしているといいます。「地域の農業について知ることができ、食育になります。食事の際は、地元の食材を使うことで輸送コストの削減につながるなど地産地消のメリットも伝えるといいですね」

食材は安くて栄養価の高い旬のものを使用。「野菜でいうと今ならダイコンやハクサイ、コマツナがおすすめです」

安価でたんぱく質が豊富な豆腐や豆も活用を。「肉を使う場合も、調理方法にあわせて選んでいます。煮込みやカツ、照り焼きは鶏むね肉を使用しています」。鶏むね肉の大容量サイズを買って、使い切れない分は冷凍しておくとよさそうです。

食物アレルギーを持つ子どもにも注意を払う給食。

「アレルギーの原因に多い牛乳や卵を使ったメニューは減ってきています。牛乳の代わりに豆乳を使うことも多いです」。調製豆乳か無調整豆乳か、料理に合わせて選ぶとよいそう。

給食の調理方法にも応用できる工夫が。

「塩を減らす代わりにゆずやレモン、カレー粉、コショウなどで味付けを加えるのもいいですね」。ごはんが進むカレー粉の味付けは子どもたちにも人気だとか。

煮込み料理や炊き込み料理にはツナ缶や昆布、かつお節を加えるとうま味がアップするそう。

「食材はサイズをそろえてカットすると、短い煮込み時間でも味がしみやすくなりますよ。調理してから時間を置くことで味が染み込みやすくなり、塩分が少なくすみます。時間があるときは、食べる時間の少し前に完成させましょう」

長岡京市教育委員会
教育部 学校教育課 学校教育係
総栄養士長
林 恭子さん

5食分の献立アイデア

長岡京市の小・中学校で実際に提供されている給食メニューから5食分をピックアップ。家庭用にアレンジしたレシピを教えてもらいました。₁面で取り上げたポイントごとに紹介します。

乾物活用
切り干し大根で満足感アップ
キャベツと楽しむ「肉みそ丼」

乾物を利用した丼メニューを。肉みそに切り干し大根を加えることで、少量の肉でも満足感がアップ。千切りキャベツをご飯との間に敷いて、シャキシャキ感も楽しんで。しょう油とかつお節であえるだけの「ブロッコリーのおかか和え」と、さっぱりした「すまし汁」とどうぞ。

肉みそ丼

  • ご飯2人分
  • 豚ひき肉100g
  • タマネギ1/2個
  • ニンジン15g
  • 切り干し大根15g
  • キャベツ1〜2枚
  • ショウガ1片
  • ニンニク1片
  • 油少々
  • 赤みそ(あわせみそでも可)大さじ1
  • しょう油小さじ1
  • 砂糖小さじ2
  • みりん小さじ2
  • 酒小さじ1
  • トウバンジャン少々
  • 水溶き片栗粉少々
  • 白炒りゴマ小さじ1
  1. ショウガとニンニクはみじん切り、タマネギとニンジンは粗みじん切りにする
  2. 切り干し大根は戻してから2〜3cmの長さに切っておき、 キャベツは千切りにしてゆでておく
  3. フライパンに油をひき、ショウガとニンニクを香りが出るまで炒めたら、ひき肉を入れて色が変わるまで炒める
  4. タマネギ、ニンジン、切り干し大根を加えてさらに炒める
  5. 野菜に火が通ったら赤みそ、しょう油、砂糖、みりん、酒、トウバンジャンで味付けし、味が染みたら水溶き片栗粉でとろみをつけ、ゴマを加える
  6. ご飯の上に❷のキャベツを敷き、❺をかける

旬の食材
ビタミンCがたっぷり
うま味染み込む「麻婆大根」

冬に甘みが増すダイコンは、ビタミンCが豊富で風邪予防にぴったり。ダイコンにひき肉や干しシイタケのうま味を吸わせることで、満足感のある主菜に。ダイコンは事前にレンジで加熱しておくと、短時間で中まで味が染み込みやすいそう。副菜には「じゃこと大豆の揚げ煮」を。揚げた大豆と小魚を、砂糖としょう油で煮たたれとごまであえた一品です。

麻婆大根

  • 豚ひき肉50g
  • ダイコン1/3本
  • タマネギ1/2個
  • ニンジン40g
  • ゆでタケノコ30g
  • 干しシイタケ1〜2枚
  • ニラ適量
  • ショウガ1片
  • ニンニク1片
  • 油少々
  • 砂糖大さじ2/3
  • しょう油小さじ1
  • 酒小さじ1
  • 赤みそ(あわせみそでも可)小さじ2
  • トウバンジャン小さじ1/2
  • 水溶き片栗粉少々
  • ごま油少々
  1. ダイコンは2cm角のサイコロ状に切り、やわらかくなるまでゆでておく。ショウガとニンニクはみじん切り、タマネギ、ニンジン、ゆでタケノコ、干しシイタケ(水で戻す)は粗みじん切りに。ニラは2cmの長さに切る
  2. 鍋に油をひき、ショウガとニンニクを香りが出るまで炒めたら、ひき肉を入れて色が変わるまで炒める
  3. タマネギ、ニンジン、ゆでタケノコ、干しシイタケを加え、さらに炒める
  4. 砂糖、しょう油、酒で味付けし、ダイコンと水1カップ(分量外)を加えて煮る
  5. 赤みそとトウバンジャンを加え味が染みたら、ニラを加え、水溶き片栗粉でとろみをつけ、最後にごま油を回しかける

高たんぱく
家計に優しい優秀食材が主役
「豆腐の五目煮」

豆腐をメインに使った、高たんぱくで低コストな一品。ニンジンやネギ、ひじきなどを加えて仕上げています。食材を一度油で炒めてから煮ることでコクもアップ。豆腐は崩れにくいよう大きめに切って。副菜には、モヤシ、ニンジン、ツナを甘酢で炒めた一品がおすすめ。

豆腐の五目煮

  • 木綿豆腐2/3丁
  • 鶏肉細切れ50g
  • ニンジン20g
  • タマネギ1/2個
  • ゴボウ20g
  • ひじき(乾燥)大さじ1
  • ネギ少々
  • 油少々
  • 砂糖大さじ1/2
  • 酒小さじ1
  • しょう油大さじ1
  1. 豆腐を3cm角に切り、ニンジンとタマネギは粗みじん切り、ゴボウはささがきにして水でさらしておく。ネギは小口切りにする
  2. ひじきは水で戻してから、さっとゆでておく
  3. 鍋に油をひき、鶏肉、ニンジン、タマネギを炒め、ひじきを加えてさらに炒める
  4. ❸に豆腐を加えて、ひと煮立ちしたら砂糖、酒、しょう油を加えて、味が染みるまで炒り煮にする
  5. 最後にネギを加える

アレルギー対応
豆乳を使ったサクサクの
「焼きコロッケ」

油で揚げないため、後片付けも簡単な焼きコロッケ。牛乳の代わりに豆乳を使用しています。あらかじめ少量の油と混ぜたパン粉をのせて焼くのが、揚げたてのようなサクサク感を出すポイント。副菜には「野菜いっぱいのスープ」を。主食はパンにして洋風の献立に。

焼きコロッケ

  • ジャガイモ2〜3個
  • 牛豚合いびき肉60g
  • タマネギ1/5個
  • 豆乳大さじ1
  • パン粉25g
  • 油大さじ1.5
  • 塩少々
  • コショウ少々
  • ウスターソース大さじ2
  • 砂糖大さじ2
  1. ジャガイモはイチョウ切りにし、柔らかくなるまでゆでてつぶしておく(レンジでも可)
  2. タマネギは粗みじん切りにし、パン粉は油と合わせておく
  3. 油をひいたフライパンでひき肉を炒める。色が変わったらタマネギを加えて炒める
  4. ❶を加えて混ぜ、塩とコショウで調味し、豆乳を入れよく混ぜる
  5. 耐熱容器に❹を入れ、油と合わせたパン粉をのせ、トースターで色がつくまで焼く
  6. ソースを作る。ウスターソースと砂糖を合わせて加熱し、上からかける

缶詰活用
カレー香る「ツナとコーンのピラフ」は
炊飯器で簡単に

缶詰を使って炊飯器で仕上げるお手軽ピラフ。味に深みとうま味を出してくれる助っ人食材ツナでタンパク質をとりつつ、コーンの食感と甘み、食欲をそそるカレーの香りがアクセントになる一品です。少し酸味のあるフレンチサラダや、残り野菜とマカロニで作るコンソメ味のスープといただきましょう。

ツナとコーンのピラフ

  • 米2合
  • ツナ缶1缶
  • ホールコーン1/2缶
  • 酒小さじ1
  • 塩小さじ1/4
  • カレー粉小さじ1/4
  • 水適量
  1. 炊飯器に洗った米、酒、塩、カレー粉を入れ、目盛りまで水を加えて、30分以上浸水させる
  2. ツナとコーンを上にのせて炊飯する

(2026年2月14日号より)