
中学生が店長となり、小中学生の仲間と仕入れから販売までを担う駄菓子屋。2024年11月に活動を始め、一度は閉店しましたが、約8カ月の再準備期間を経て昨年11月に2度目のスタートを切りました。月2回、山科区の大宅(おおやけ)自治会館がにぎわっています。
撮影/深村英司


木曜日の午後3時過ぎ。大宅小学校の南側にある大宅自治会館の前に「駄菓子屋さん」ののぼりが立ちました。同館2階の20畳ほどの和室では、店長である中学2年生の佐野心勇(しゆう)さんを中心に、小中学生スタッフが開店の準備中。壁沿いに、たこせん、ラムネ、くじ付きチョコレートなどを陳列。部屋の大半はイートインスペースとするため、テーブルを並べます。
開店は3時30分。小中学生が続々と階段をあがってきました。会計後は好きなところに座ってお菓子を食べ、友だちとおしゃべり。たちまち子どもたちの楽しげな声と熱気で空間が満たされます。
その間、スタッフは案内や列の整理、商品の補充、会計と大忙し。佐野さんも全体に目配りし、声をかけたり手伝ったりと立ち働きます。「人と集まるのが好きだし、みんなが喜んでいる姿を見るとうれしくなります」
ピーク時には80人余りの子どもたちが集まり、売り切れ商品が出るほど盛況でした。

通っていた駄菓子屋の閉店がきっかけに


佐野さんが駄菓子屋を始めたのは2024年11月、中学1年生のときでした。きっかけは、その3年前にさかのぼります。
「小学生の頃に通っていた駄菓子屋『西村菓子店』が2021年に閉店し、すごく残念で。店で友達と会うのも楽しみだったので、駄菓子屋を新たにつくり、小学生たちの居場所にしたいと考えました」
2024年6月に京都市の起業コンテストに応募したことを機に、本格的に事業を始めることを考え出した佐野さん。「駄菓子屋復活チャレンジ」というプロジェクトを立ち上げ、賛同する同級生4人と共に期間限定で開店を目指すことに。「開業資金は両親に借りて用意ができ、『西村菓子店』の元店主・西村哲也さんにも協力してもらえることになりました」
苦労したのは場所探し。「途中で諦めそうになりましたが、地域の人が倉庫を紹介してくれて。交渉の際は、少年補導の方や中学校のPTAの会長さんも同席してサポートしてくれたこともあり、2025年3月まで借りることができました」
仕入れ先は、西村さんの仲立ちで山科区の菓子問屋「南商店」に決定。価格帯は西村さんのアドバイスをもとに設定しました。
いざ初開店を迎えると「お客さんがいっぱい来てくれ、驚きました。地域の人ともたくさん知り合えて、僕たちの世界も広がっています」
当初の予定通り3月で閉店したものの、続けてほしいという声が多かったこともあり継続を決意。地域のイベントなどに出店しながら学区内で会場を探し続け、現在の大宅自治会館を借りることができたそう。
「4月には自分も中学3年生。自分がいつまで店長をやるかは決めていませんが、駄菓子屋を引き継ぎたいという子が出てきたらうれしい」と後継に期待しています。
大宅自治会館で月2回・木曜日午後3時30分~5時30分営業。直近では2026年1月29日、2月12日、26日で開催予定。活動の予定はインスタグラムから。「dagashiyafukkatsuchallenge」で検索を。
(2026年1月24日号より)
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