平日に「ここ行こ」と気軽に集える 子どもの居場所

2025年11月7日 

リビング編集部

学校に行きづらい小学生とその家族にほっとできる場を、と宇治市や伏見区で活動中の「ここいこうじ」。どんな取り組みをしているのか、その活動の場をのぞいてみました。

撮影/岡森大輔ほか

宇治市の「大久保青少年センター」は「ここいこうじ」の活動拠点の一つ。この日は「積み木で遊ぼう」が開かれていました。「積み木というテーマは設けていますが、過ごし方は自由。みんな思い思いにやりたいことをしていますよ」と、代表の畦森(うねもり)志穂さん。

訪れてまず目に入ったのは、鉄道模型と青いレール。レールの中には積み木が置かれています。色は緑で小さな木のよう。

「その積み木はスペイン製のもので、さまざまな色と形があります。何かに見立てて並べても、模様を作ってもいい。遊び方も自由です」

取材時の参加者は小学4年生と5年生の2人と、その保護者です。1人はSLの塗り絵をしたり積み木で線路を作ったり。もう1人は積み木を将棋の駒に見立て、独自のルールを考えてスタッフと対戦。どちらも熱中していました。

それぞれが好きなことを楽しむ子どもと、寄り添う保護者、スタッフ。鉄道模型やレールは参加者の持ち込み
「ナイアガラの滝」にはフランス製の積み木を使用。「形は同じだけれど、一つ一つ木目が違って個性があります」と畦森さん

部屋の一角には、積み木の大作「ナイアガラの滝」が。端から壊すと滝が流れ落ちるかのように豪快に崩れるのだとか。「私たちが事前に積み上げ、参加者に崩してもらっています。積み木は崩すのも楽しみのうち。崩れる音もいいんですよ」

ここで、子どもたちに「崩そう」と声をかけると、駆け寄ってきて一瞬でばらばらに。その笑顔から楽しさが伝わってきました。

近年、学校に行きづらいと家庭内にとどまる「行き渋り」や「不登校」の小中学生が増えているといいます。畦森さんも、子の行き渋りを経験した親の一人です。

「当時は親子でよく積み木をしていました。息子は思い通りにできないとかんしゃくを起こしていたのに、ある日崩れてもカッカせず『もう1回やろ』と。何回チャレンジしてもいいと自分で気づいたんだな、と成長を実感しました」

同じような経験を持つ子育て仲間に「平日、積み木で親子が遊べる会ができたら」と話して賛同を得、2023年10月に「ここいこうじ」を設立。以来仲間と、「積み木で遊ぼう」をはじめ「ごはんを作れるようになる会」「アナログゲーム会」といった、子どもがのびのび過ごせる場づくりを続けています。

「ごはんを作れるようになる会」は、子どもたちが自分で調理し、できた昼食を親子で食べる催し
「アナログゲーム会」では揺れる塔にスティックをどれだけ積めるか競うことも

「子どもがありのままでいられる場所、好きなことをしてていいよといわれる場所があっていいと思うんです。『家でふさぎがちだった子が、ここに来て元気になった』といった声を聞くとうれしいですね」

宇治で毎月第3金曜日午前、伏見の「やぎはりきゅう院」などで毎月第2・4月曜日午前に開催。協力金(参加費)は活動により異なり、「積み木で遊ぼう」は1回200円(1家族)。毎月第3金曜日の午後には、宇治の平盛集会所で放課後の子どもの居場所「ここいこのたね」の取り組みも始めています。

活動の詳細や費用、催しなどの予定はインスタグラムから。「kokoi kouji」で検索を。メール=kokoikouji@gmail.com=で問い合わせも可。

スタッフの皆さん。左からラッセル佑子さん、八木紫さん、代表の畦森さん、種田尚子さん

(2025年11月8日号より)