
大学が集まる京都。美術館や博物館が併設されているところもあり、一般の人も気軽に鑑賞できます。いずれの展示も、研究のため各地から集められた貴重なものばかり。個性豊かな内容に、好奇心がくすぐられそう。
撮影/岡森大輔、深村英司ほか
※各施設の詳細、年末年始などの休館日についてはホームページで確認を
京都大学総合博物館
化石や剥製などの標本がずらり
研究者の探検の記録にも注目を


百万遍交差点を南に曲がって少し歩くと、東側に「京都大学総合博物館」が見えてきます。
最もスペースが広い自然史展示室で、まず目に飛び込んでくるのは古代のゾウの化石や模型。その迫力に思わず足を止めて見入ってしまいます。奥へ進めば、旧霊長類研究所のチンパンジーが行った記憶ゲームを体験できるコーナーやニホンカモシカなどの動物の剥製、熱帯雨林を再現したジオラマが。
「所蔵品の数は約260万点。理学から文学、工学まで幅広い分野がそろっているのが特色です」と話すのは館長で理学博士の髙井正成さん。
博物館が誕生したのは1997年。大学に蓄積された膨大な標本や資料を保存・公開する拠点が必要になったことがきっかけでした。「当時は国立大学で博物館を新設する動きが盛んだったという背景もあります」と、振り返ります。
個性的な研究者たちの活動を紹介する展示も、見どころの一つ。「日本の霊長類学の創始者といわれる今西錦司さんは、アフリカ探検やヒマラヤ登山にも挑んだ人物。そんな探検家気質の研究者の足取りにも注目してください」

- 左京区吉田本町
- 開館時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
- 休館日:月・火曜
- 料金:一般400円、大学生300円
※高校生以下、70歳以上無料。京都府下の大学に在籍する学生、同学の学生・教職員は無料
京都教育大学教育資料館
昔の教材・教具を展示
教育の変遷を感じて


伏見区深草にある、京都教育大学。正門を入り、緑豊かなキャンパスを右手に進むと、レトロな洋館が。「京都教育大学教育資料館」です。
理科教材を約200点所蔵する同館。展示品の中でも数が多く目を引くのは、精巧な実験器具や模型の数々。流速計や振動磁力計、路面電車の模型、地球と太陽の動きを立体的に表した地球運動模型などが並びます。「昔の授業ではどのように使われていたのだろう」と想像すると、当時の教室の風景が目に浮かぶようです。岩石や地質の標本、楽器、エジプトのミイラなども展示されます。
同大学は1876年に創立された京都府師範学校を前身とする大学。教育の変遷を知る手がかりになる資料を多くの人に活用してほしいと、2011年に誕生したといいます。
趣のある建物は、明治時代に日本軍の司令部として建てられたもの。「戦後は職員会館などに使われてきましたが、資料館設立にあたり、改装することに。貴重な戦争遺跡を後世に残していけたら」(同大学職員の片田容子さん)。建物も展示の一つなのですね。

- 伏見区深草藤森町1
- 開館時間:午後2時~5時
※2025年11月7日(金)・8日(土)・9日(日)は午前10時~午後4時(学園祭のため開館) - 休館日:月曜以外、2025年11月10日(月)
- 料金:無料
立命館大学国際平和ミュージアム
近現代の歴史を知ることが
平和について考えるきっかけに

世界で最初の大学内の総合的な平和博物館として、1992年に設立された「立命館大学国際平和ミュージアム」。2023年に常設展を大幅リニューアルしました。
「日本は1945年に終戦を迎えましたが、世界ではその後も紛争が絶えません。平和を実現するには、貧困や差別、環境破壊など、さまざまな社会問題にも向き合う必要があります。そこで展示を、19世紀の植民地主義から現代までの流れをたどりながら、紛争を含めた世界の課題を学べる内容にしました」と話すのは、同館の亀田直彦さん。
展示室には、第2次世界大戦中に存在した日本の特殊部隊・七三一部隊が使った防毒マスク、原爆でゆがんだ弁当箱などの品々が。戦争体験者の証言映像を視聴できるコーナーも。
「『平和って何?』という問いへの答えは、一人一人違うはず。歴史と事実を知って、考えるきっかけにしてほしい」
今年は戦後80年。これを機に歴史を振り返ってみては。

- 北区等持院北町56-1
- 開館時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
- 休館日:日曜、祝日の翌日(日曜が祝日の場合は開館、翌日が休館)
- 料金:大人400円、中・高校生300円、小学生200円
※同学の学生・教職員は無料
京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
デザイン教育のために集めた
ポスターや陶磁器などを公開

工学とデザインを融合させた教育で知られる京都工芸繊維大学にも、美術工芸資料館というミュージアムが。
「代表的な所蔵品は、近代のフランスの広告ポスター。本学の前身である京都高等工芸学校の教授となる浅井忠(ちゅう)が、明治時代にパリでデザインの教材として買い付けたことをきっかけに増えていきました」と話すのは、館長の平芳(ひらよし)幸浩さんです。
「当時の教授らが海外から集めた教材は、ポスターに限らず、陶磁器、テキスタイルなど、多岐にわたります。それら近代のデザイン資料を公開する場所を作ろうと、1980年に設立しました」
設立から40年以上を経て、現在の所蔵数は約5万点に。「いつ訪れても新しい作品に出合えるように」と、年に10回ほど企画展を開催。2025年11月10日(月)から始まる「アール・デコ」をテーマにした企画展には、フランスのポスターも登場するそう。

- 左京区松ケ崎橋上町1
- 開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日:日曜・祝日(展覧会によって異なる場合あり)
- 料金:一般200円、大学生150円
※高校生以下、同学の学生・教職員・大学コンソーシアム京都に加盟する大学の学生は無料
龍谷大学 龍谷ミュージアム
歴史から美術まで幅広く紹介
仏教の総合博物館

七条堀川の交差点近くに立つ「龍谷大学 龍谷ミュージアム」。2011年、龍谷大学が所蔵する学術資料を一般公開するために開館しました。仏教の歴史をわかりやすく解説するシリーズ展や、テーマを設けた特別展・企画展を開催。「展示を見て仏教への理解が深まると、京都の寺社を巡るのがより楽しくなりますよ」と学芸員の岩井俊平さんは話します。
2025年11月24日(休・月)まで、秋季特別展「仏教と夢」を開催中。釈迦(しゃか)の入滅を描いた涅槃(ねはん)図ほか、夢にまつわる仏教絵画や彫刻などが幅広く紹介されています。

- 下京区堀川通正面下ル
- 開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日:月曜、祝日の翌日
- 料金:展覧会ごとに異なります
花園大学歴史博物館
禅の書画を豊富に所蔵
学生による展示の説明文も

「花園大学歴史博物館」は、大学の研究活動で蓄積された資料を一般公開することを目的に2000年に設立されました。「本学の起源は、妙心寺の学寮。そのため禅文化の研究が活発で、書や絵画を豊富に所蔵しているんです」と、同館研究員の志水一行さん。
常設展では、考古学調査の出土品や歴史学の文献、禅の美術品などを展示。年に2回ほどテーマを設けて禅の文化を紹介する企画展も。
「学生参加」を理念としているのも特徴。「学生が研究員と寺院で文化財の調査をしたり、展示の説明文を作成したりすることもありますよ」。学生ならではの新鮮な視点も楽しめそう。

- 中京区西ノ京壺ノ内町8-1
- 開館時間:午前10時~午後4時
- 休館日:日曜、祝日
- 料金:無料
京都外国語大学 国際文化資料館
人や動物を描いたユニークな品も
古代アンデスの造形美を間近で鑑賞

色彩豊かな染織品や、人や動物をどこかユーモラスに描いた土器…。「京都外国語大学国際文化資料館」のコレクション展示室(常設)では、古代アンデスの品々を展示しています。
資料館が生まれたのは1991年。中南米をはじめとする世界各地から集められたコレクションが増えたことにより、「せっかくの文化遺産を学生だけではなく市民にも」との思いから、保存と公開を兼ねた場として設立されました。
「中南米ははるか海の向こうですが、先住民の人種は日本人に近いモンゴロイド。難しく考えず、古代の人々が生み出した造形美を思う存分楽しんでください」(同大学教授の南博史さん)
※現在は臨時休館中。次回の開館は2025年11月25日(火)から

- 右京区西院笠目町6
- 開館時間:午前10時~午後4時
- 休館日:土曜、日曜、祝日
※展示替えなどによる臨時休館あり - 料金:無料
(2025年10月25日号より)
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