路線バスで旅気分

2025年8月1日 

リビング編集部

生活路線から観光路線まで、京都府内を走るさまざまな路線バス。予約不要で気軽に出かけられるのが魅力です。この夏、日帰りで旅気分を味わえる、三つの路線をピックアップしました。

高雄・周山自然豊かな街道を走る「高雄京北線」

西日本JRバスの「高雄京北線」。京都駅から市街を北上し、約1時間30分かけて高雄、周山に向かう路線バスです。青モミジや北山杉などの自然豊かな場所も通るので、車窓から眺めるだけでもリフレッシュできますよ。

午前8時台に「京都駅前」停を出発すると、9時台に高雄地域に到着。付近の寺院を拝観し、再び11時台のバスに乗れば、正午過ぎに周山に着きます。ランチや買い物を楽しんだ後は、午後2〜3時台のバスで帰路に。

京都駅〜高雄間の運行数は多いものの、日中の高雄〜周山間は1時間に約1本なので、時間に余裕を持って移動を。

鯖街道の一つである「周山街道」を走行

「高雄」停〜「栂ノ尾」停は、モミジが有名な「神護寺」「西明寺」「高山寺」が集まる区間です。国宝「鳥獣人物戯画」で知られる「高山寺」に立ち寄る際は、石水院(国宝)の青モミジにも注目してみて。

高山寺(「栂ノ尾」停から徒歩約5分)

●TEL:075(861)4204 ●午前8時30分〜午後5時 ●無休 ●石水院拝観料1000円

額縁の中の絵画のような、「高山寺」石水院の青モミジ

高雄と周山の間にある中川地域は京都の銘木「北山杉」の産地です。「山城中川」停付近で車窓を眺めると、道の両側に杉林が。

「京北合同庁舎前」バス停から徒歩約1分

納豆もちや寿司の加工品をはじめ、京北の特産品が多数。地場野菜、米、菓子類も並んでいます。北山杉の木工品やフレグランスなど、お土産探しにもおすすめ。館内の休憩所では、周辺の観光情報を見ることもできます。

●TEL:075(852)1700 ●午前9時〜午後6時(食事コーナーは午前10時30分〜午後4時30分、LO4時) ●8月は無休

店内中央には、大きな「やぐら杉」のモニュメントが

「周山」バス停から徒歩約1分

和菓子から洋菓子までそろう、地元の菓子店として親しまれています。名物は、大吟醸を使った酒ケーキ。周山城跡の石垣をイメージしたクッキー(600円)は、かむと口の中でほろっと崩れ、優しい甘さが広がります。

●TEL:075(852)0009 ●午前10時〜午後7時●不定休

格子と木製の看板が目印

「周山」バス停から徒歩約5分

周山は、明智光秀が城を築いた地。同寺院の釈迦堂には、光秀の坐像「くろみつ大雄尊」が安置されています。この像は、本能寺の変の際に逆臣の汚名から墨で塗りつぶされましたが、人々によって密かにまつられてきたものだそう。鋭い眼光からは、光秀の人柄や武勇がうかがえます。

●TEL:075(852)0213 ●午前10時〜午後4時 ●境内自由、釈迦堂は火〜金休(事前予約で拝観可) ●志納料300円以上 ※9月1日(月)までは予約制。前日までに電話で問い合わせを

山を背に建つ慈眼寺。くろみつ大雄尊がモチーフの御朱印も人気とか

JR「京都」駅中央口前の「京都バスチケットセンター」では、「周山フリー乗車券」(1850円)を販売。当日に限り、「高雄京北線」の乗り降りが自由に


八瀬・大原のどかな里山へ向かう「17系統」

京都市街地から大原方面に向かうには、京都バス「17系統」または「特17系統」で。

午前10時ごろに出発すると、一日かけてゆっくり楽しめますよ。「京都駅前」停から「出町柳駅前」停を経由し、50分ほどで八瀬へ。高野川と青モミジという、涼やかな景色を眺めながら10分ほどかけて大原に向かうと、田んぼやシソ畑が広がるのどかな里山に到着します。ランチは、「三千院」の参道沿いに並ぶカフェや食事どころがおすすめ。

運行本数は1時間に2本。気になるスポットに立ち寄りながら、のんびりと散策しては。「国際会館駅前」停から運行する「19系統」もあり。

大原の特産品「しば漬け」の原材料となる、赤シソは、7〜8月が収穫期。「大原」停から「三千院」へ向かう参道の途中にある展望台から、シソ畑を一望できます。視界を遮るものがなく、眺めていると開放的な気分に。

展望台から望むシソ畑

「神子ヶ渕」バス停から徒歩約2分

ネコをテーマにしたミュージアム。ふすま絵や彫刻、フェルト人形など、館内のネコ作品は200点以上 ! ネコづくしのミュージアムグッズも見逃せません。

●TEL:075(746)2216 ●午前11時〜午後5時(土日祝は午後6時まで。最終入館は閉館の30分前まで) ●火休 ●入場料800円

「日月22匹 招き猫の間」のふすま絵

「野村別れ」バス停から徒歩約4分

大原で採れた新鮮な野菜が集まる直売所です。生産者情報が掲示されていて、作り手のこだわりに触れながら買い物ができるのが魅力。日曜日の午前6時〜9時には、「大原ふれあい朝市」も行われています。バスは「京都駅前」停から7時台にも運行しているので、早起きして訪れて。

●TEL:075(744)4321 ●午前9時〜午後4時(レストランは午前11時〜午後3時30分、LO3時) ●月休(祝日の場合は翌日休)

直売所の「旬菜市場」

「大原」バス停から徒歩約1分

「三千院」の参道にある、テイクアウト専門のコーヒースタンドです。アイスコーヒー(レギュラーサイズ550円)や、赤シソを使ったクリームソーダ(750円)は、暑い夏にぴったり。参拝前にひと涼みしては。

●TEL:075(744)3939 ●午前9時〜午後4時 ●8月は無休

扉が開け放たれた店舗。通りがかると、香ばしいコーヒーの香りが漂います

「大原」バス停から徒歩約10分

豊臣秀吉が聚楽第を造営した際に洛中に建立され、2012年に大原へ移転。秀吉の功績にちなみ、開運出世のご利益で知られています。小高い山のふもとにあるので、奥の宮から大原の町並みを見渡すことができますよ。社殿には京都出身の画家・堂本印象が奉納した「雲龍図」も。

●TEL:075(744)4070 ●午前9時〜午後5時 ●無休 ●拝観無料


宇治田原土・休日限定の「186系統」でお茶のスポットを訪ねて

お茶どころとして知られる、宇治田原町。同地区へは、京都京阪バス「186系統(通称・宇治茶バス)」に乗って。運行は土・休日のみ。奥山田の「正寿院」まで行ける、唯一の路線です。※宇治田原町内までは別系統の路線もあるので、組み合わせた移動も可能

午前9時台に「京阪宇治駅」停をスタート。バスは特別車両で、後方席に茶室風のしつらえが凝らされるなど、遊び心が。車中からは澄み切った夏空と茶畑が織りなす、山間の光景を堪能して。緑茶ゆかりの地を巡って早めの昼食をとったら、午後は「正寿院」へ向かいましょう。

宇治茶バスは午前中に2本、午後に2本と運行本数が少ないので、時刻表も忘れずに確認を。

車体に茶畑をあしらった「宇治茶バス」。運行期間は12月7日(日)まで

「宇治田原小学校」停を過ぎたあたりで、なだらかな丘陵に一面の茶畑が広がる景色を車窓から見ることができます

「宇治田原郵便局前」バス停から徒歩約9分

観光情報に土産物、お茶を使った料理やスイーツがそろう複合施設。こちらでいただけるのが「茶汁(ちゃじる)」。みそ玉と具材に番茶をかけて作る即席みそ汁のようなもので、古くから地元の茶農家の昼食として食べられてきたそう。さっぱりした味わいで、暑い日でもはしが進みます。

●TEL:0774(46)8864 ●午前10時〜午後5時(3〜10月) ●水木休 ※8月6日(水)〜14日(木)休

「彩りの茶汁セット」(1200円)は土日限定メニュー。てん茶のふりかけ、おばんざいの一品、茶葉のつくだ煮付き

「宗円交遊庵 やんたん」から徒歩約15分

永谷宗円(ながたにそうえん)は、江戸時代に「庶民も気軽に飲めるお茶を」と新しい煎茶製法を考案した人物。その生家(1960年復元)には、製茶に使われたほいろ跡が保存されています。日本煎茶誕生の秘話も聞けますよ。

●TEL:0774(88)6638 ●午前10時〜午後3時(内部公開は土日祝のみ)●不定休 ※8月6日(水)〜14日(木)休 ●維持管理協力金200円

風が抜けるかや葺きの空間でクールダウン

「奥山田正寿院口」バス停から徒歩約16分

別名・風鈴寺。夏は境内に2000個の風鈴がつるされ、風が吹くと一斉に涼やかな音を響かせます。客殿にはハート形のいのめ窓や、季節の草花を描いた天井画など見どころがたくさん。今年は、50年に一度のご本尊の特別開扉も行われています。

●TEL:0774(88)3601 ●午前9時〜午後4時30分(12月〜3月は午前10時〜) ●拝観料600円 ※2025年は特別開扉につき、11月30日(日)までは拝観料1000円

いのめ窓の向こうには鮮やかな緑が

京阪「宇治」駅やJR「宇治」駅の観光案内所で販売されている、1日乗車券(1300円)が便利

(2025年8月2日号より)