
私たちがこの時期に利用しているものや場所。そこには、夏ならではの仕事に取り組む人の姿が。仕事現場を取材しました。
〈撮影〉橋本正樹、深村英司ほか
プールの
監視
炎天下の見守りは集中力が必要
利用者が楽しむ姿がやりがいに
山城総合運動公園 太陽が丘ファミリープール(宇治市)

日曜・祝日など、多い日には1日5000人が訪れるという「山城総合運動公園 太陽が丘ファミリープール」。
プールの運営を行う「京都府公園公社」は毎年、臨時職員としてプール監視員を採用。プールオープン期間中は、1日に最大31人体勢で利用者を見守ります。同プールの監視員歴10年以上で、宇治市在住の山形博一さんと杉本達也さんは、今年も参加。
「保護者が少し目を離した隙に一人でプールに入るお子さんもいるので、監視台から常に目を光らせています」(山形さん)
プールごとに注意するポイントも変わるそうで、「例えば『造波プール』は、波に流されて人が密集するタイミングが危険。家族とはぐれたり溺れたりしている人がいないか、より気を遣いますね」と杉本さん。
水面に反射した光は直射日光よりも強いそう。
「炎天下の見守りは集中力も必要で大変ですが、みなさんが楽しそうに遊んでいる姿を見ると、やりがいを感じます」



ドライ
アイスの
加工
スピード勝負!
保冷アイテムの製作は暑さの中で
中野(久御山町)

生鮮食品の持ち帰りなどに欠かせないのが、保冷アイテム。ドライアイスの加工、保冷剤の製造、配送などを行う「株式会社中野」を訪ねました。
「ドライアイスの加工は6月下旬からお盆くらいまでが繁忙期。サマーギフトの保冷用にと大量の注文があるんです」と、同社専務の中野能道(よしみち)さん。業務用の大きなブロックサイズから、スーパーで配られるような手のひらサイズまで、用途に合わせてカットし、配送しています。
「一見涼しそうな仕事に見えるけれど、ドライアイスは炭酸ガスなので密閉厳禁。換気のため工場の扉を開放し、作業しています」
さらに「気化しやすく長期保存が難しい素材なので、作業はスピード勝負」。暑さの中、ドライアイスをカットする従業員の額には、流れる汗が。
「午前6時30分から午後3時の間に加工。気温が高い時間帯を避け、深夜から早朝にかけて各地に届けています」
夏は飲食店はもちろん、イベントのスモーク演出などさまざまな場面で活用されるという、ドライアイス。
「利用者と直接接する機会は少ないですが、僕たちの商品がいろいろな現場で役立っていると思うとやる気が出ますね。ドライアイスは便利な反面、取り扱いには注意が必要なので、安全面にも配慮した商品作りを心がけています」

図書館の
運営
夏休みは本の補充や本探しのほか
子ども向けのイベントで大忙し
京都市醍醐中央図書館(京都市伏見区)

読書感想文におすすめの本の展示や、自由研究に役立つ本を集めたコーナー。夏休み中の「京都市醍醐中央図書館」では、ぐんと増える子どもの利用者に向けて、司書の西垣尚子(たかこ)さんたちが奮闘しています。
「本探しの補助でフロアに出ることも多いですね。子どもたちに何か教えてあげたときの『ありがとう』や、本が見つかったときのキラキラした顔を見るのが喜びです」
本の貸し出し数が増えるので、書架が空にならないよう書庫などから補充する作業もあり、大忙し。
さらに、子どもたちが電子書籍にも親しめるようにと、ガチャガチャを製作しました。カプセルの中のバーコードをスマートフォンなどで読み込むと、電子書籍が読める仕組みなのだとか。
図書館に親しんでもらうための催しも司書業務の一つ。夏休みは映画上映会や読み聞かせなど、子ども向けのイベントの数も多いそう。
これらの準備や運営で多忙なため、「夏休み中は体調を崩さないようにより一層気を付けています」

エアコンの
設置
屋根の上の作業では
靴底が溶けることもあります
KOUEI(京都市中京区)

猛暑が続く近年、冷房器具が活躍しますね。エアコンの設置業務を行っている「KOUEI(コウエイ)」では、家庭用・業務用のエアコンに対応。家庭用は1台3時間ほどかかり、多いときには1日に3軒の家を回ることも。業務用エアコンは1台約150kg。2〜3人がかりで設置する重労働だといいます。
同社のエアコン設置担当者・高見忠晃さんは「6月ごろから依頼が増え、7・8月がピークになります」と話します。
「屋根に登って室外機を設置することもあるんですが、太陽に照らされた屋根は高温。靴底が溶けることもあるんですよ。室内も冷房がないので当然暑い。でも、お客さまも同じ暑さを感じているわけだから、僕たちが頑張らなきゃ」とにっこり。
「エアコンと室外機が正しくつながっていないなどの設置不良は、冷房効率の低下につながるので、丁寧な設置を心がけています。作業後に試運転して、『よう冷えてるわ〜』と言ってもらえるのが、やっぱりうれしいですね」

緑の
世話
水やりは冬の3〜4倍
森の巡回も大切な仕事です
梅小路公園(京都市下京区)

太陽が照りつける中、日々草木と向き合う人たちがいます。「梅小路公園」は街なかに開園して30周年。
「園内には日本庭園『朱雀の庭』や、復元型ビオトープの『いのちの森』があり、夏の間も多くの方が来園されます」とは、京都市都市緑化協会の梅小路公園管理事務所所長・伊藤信太郎さんです。
「夏場は冬の3〜4倍ほど水やりが必要。草もすぐ生えるので、こまめに抜いています。木々を傷めないよう、雑草取りの大部分は手作業なんですよ」
そう話すのは、「朱雀の庭」の手入れを担当する造園会社の、鈴木絢子さん。暑さ対策に、帽子とファンのついた作業着は必需品です。
「『きれいな庭ね』と来園者に喜んでもらえるような仕事ができたら。それに、夏の手入れは紅葉など秋の庭園の美しさにもつながるんですよ」
「いのちの森」では毎年7月下旬から、子どもを対象とした自然に関するクイズラリーを開催。同協会の植村久美子さんは企画・準備に携わっています。
「開催中は、ルートに落ちた枯れ木を掃除し、危険な場所がないか確認するなど、森を巡回しています」
子どもたちが心置きなく楽しめるような環境づくりを行うのも、大切な仕事なのですね。


(2025年7月19日号より)
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