
コロナ禍を経て、結婚式を挙げる人が増加。招待客も、コロナ禍以前の人数に戻りつつあります。そんな結婚式の今のトレンドとは? ゲストの構成や演出、招待状の出し方などに変化や傾向が見られました。
会社関係の招待客は仲の良い同僚が中心に
一般的に、挙式・披露宴の総称である結婚式。今どきの結婚式の傾向について、式場のプランナーに聞きました。
「最近は友人と会う機会を作りたい、先に結婚したきょうだいがコロナ禍で控えたから親のためにも自分はと、結婚式を行う方が目立ちます。招待人数は60人程度が多いです」とは、「バリューマネジメント」が運営する結婚式場「FUNATSURU KYOTO KAMOGAWA RESORT」の野口智加さん。
会社関係のゲストは、上司は呼ばず、仲の良い先輩や同僚だけを呼ぶ人が増えているといいます。「アットホームさや、気を遣わないカジュアルさを求める傾向にあると思います」と「TAKAMI BRIDAL」が運営する結婚式場「京都ノーザンチャーチ北山教会」の山本まどかさん。祝辞の時間を設けるケースも以前に比べて減少しているとか。
ゲストに結婚の意思を誓い、証人になってもらうスタイルの人前式を選ぶ人も増加。誓いの言葉は、定番のフレーズではなく、自分たちで考えた言葉を使う人も少なくないそう。
\ドレスの色は、濃いグリーンに/

\みたらし団子にタレをドリップ/

ゲストも楽しめる演出が支持を集めています
「全体を通して、〝ゲスト参加型〟の演出を求める方が多いです」とは野口さん。
コロナ禍で控えられていた、鏡開きなどの飲食関連の演出も再び支持されているそう。
「披露宴の中で、謎解きや『格付けチェック』などのゲームをする人もいます」と山本さん。
新郎の意識も変わっているよう。準備の段階から、花嫁任せではなく、新郎が主体的に関わるように。親との記念を残したいと、新郎が主役となる演出の注目度もアップしています。
また、趣味を生かしたり、個性を表現したりといったオリジナリティーのある演出を求める人も増加しているとか。
ゲスト参加型の演出

「参列者と作り上げる結婚証明書」
結婚証明書とは、新郎新婦が2人の結婚を証明するものとして、人前式などでサインする誓約書のこと。こちらをゲストにも参加してもらい、一緒に完成させるカップルもいるそう。書面にサインをもらうタイプや、ゲストが絵具を選び、キャンバスに色を塗ってもらうタイプ(写真)など形式はさまざま

「植樹セレモニー」
ゲストが植木鉢に土を入れ、新郎新婦が水をそそぐイベント。〝幸せを呼ぶ木〟と呼ばれるオリーブの木がよく使われるそう

「フラワービュッフェ」
参列者に花を選んでもらい、自分たちのテーブル装花のコーディネートをしてもらうこと
「サプライズリングボックス」
挙式時、会場の椅子に置かれた箱の中に指輪が入っていたゲストが、リングガール・ボーイの役に
新郎が主役の演出

「ブートニアセレモニー」
新郎の胸元を飾るブートニア(花飾り)を、親などに挿してもらう儀式
「ジャケットセレモニー」
挙式の入場の際に、新郎がタキシードのジャケットを親などに着せてもらうセレモニー
「新郎の手紙」
新郎が大切な人に向けて感謝の気持ちを伝える手紙
お色直しのドレスはブラックやブラウンなども人気
「ウエディングドレスは、装飾が少ないシンプルなデザインが好まれています」(野口さん)。袖のあるタイプやトレンドのチュール素材など、上品な雰囲気が注目されているとのこと。
「お色直しのドレスの色もバリエーション豊富に。ブラック、ブラウン、ベージュ、カーキなど、普段の服装と同じような色合いを選ぶ人も増えています」とは山本さん。
「ヘアメイクでは、髪やデコルテにパールや金箔(きんぱく)をあしらうスタイルが流行しています」
和装では白無垢(しろむく)や、色鮮やかな色打ち掛けに再び支持が集まっているそう。
オーダーメイドのタキシードを持ち込むなど、以前に比べると新郎も衣装にこだわる人が出てきているとか。


引き出物は〝カードタイプ〟が登場 席次表はオンライン化
引き出物は、カタログギフトのカードタイプが定番に。カードにギフトを選べるサイトの2次元コードが印刷されていて、オンラインで注文できます。
また、ウェブの招待状サービスを利用し、封書ではなく、LINE(ライン)を使って送付する人も。「返信機能も付いているので、ゲストはすぐに回答ができて楽だと聞きます」(野口さん)
ご祝儀の受け取りにも、2次元コード決済や振り込みを活用。「招待状に2次元コードを載せて、ご祝儀の支払いができるようにする人もいます」。2次元コード決済を使うことで、新札やご祝儀袋の用意が省けてゲストの手間を減らせるほか、会場での現金受け渡しがなくなり防犯面でも利点があるよう。
会場内の席次表もオンライン化。新郎新婦を紹介するプロフィルブックに2次元コードを載せることで、急な変更に対処できるといいます。「プロフィルブックには、当日の写真が共有されるサイトなどの2次元コードを入れる方もいます」(山本さん)
・・・ 教えてくれたのは ・・・

「FUNATSURU KYOTO KAMOGAWA RESORT」
プランナー
野口智加さん

「京都ノーザンチャーチ 北山教会」
プランナー
山本まどかさん
\ 今らしい演出に注目 /
読者の結婚式
ケーキの代わりにみたらし団子
「ドレス色当てクイズ」で盛り上がりました
反田葵さん

2月に結婚式を行った反田葵さん(30歳)。「挙式は平安神宮で、親族のみ35人を招待しました」と反田さん。
披露宴は、平安神宮会館で。約60人を呼びました。ケーキ入刀の代わりに取り入れたのが、今人気の演出である「みたらしドリップ」。「積み上げたみたらし団子に2人でタレをかけました。窓からのぞむ和の雰囲気の庭園にぴったりで、ゲストにも好評でしたよ」
インスタグラムを参考にした演出も二つ。
お色直しのドレスの色をゲストに予想してもらう「ドレス色当てクイズ」では、再入場の際に予想した色のペンライトを振ってもらったとのこと。ライブ会場のように盛り上がったそうです。
両親への「子育て感謝状」も、思い思いのメッセージを入れたり、写真を選んだりして、自分たちらしく感謝の思いを届けることができたといいます。



オープニングムービーは夫が制作
ドレスは濃いグリーンをチョイス
林彩菜さん

林彩菜さん(30歳)は、3月、同志社大学今出川キャンパス内のチャペル「クラーク記念館」で挙式。披露宴を結婚式場「ザ・トリニティハウス」で開催しました。式・披露宴それぞれ66人を招待したそう。
「結婚式の打ち合わせに毎回出席するなど、夫も結婚準備に参加していました」と話す林さん。オープニングムービーも、夫がゼロから作ったのだとか。歴史ドラマのパロディを取り入れながら、2人の出会いや結婚までの様子を再現して紹介しました。
お色直しのドレスは抹茶が好きなことから、普段の服装にもよく用いる濃いグリーンを選択。「ドレスは、思った以上に色のバリエーションがあって。自分好みの色が選べました」
招待状はLINEで。当日までカウントダウンされるサービスを選択。ご祝儀も、手渡しか2次元コード決済か、選べるようにしました。


(2025年6月14日号より)
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