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試写室・劇場から

前川清・中村美律子 特別公演

11月9日(木)まで大阪新歌舞伎座にて公演中

知りつくした二人の余裕と気配りのステージ

来年、歌手生活50周年に当たる前川清と、昨年30周年を迎えた中村美律子との、ぜいたくな二人座長の特別公演。とぼけた風情の前川の“静”、温かみのある中村の“動”がほどよいバランスをみせながら、芝居と歌とで客席を沸かせる心地よい舞台である。

第一部は、人情喜劇「可笑しなふたり」。赤穂藩の大目付を務める堀家の嫡男・左馬之助(前川)は、まっ正直で、バカが付くほどの堅物。ある日、菊(中村)という女が女中奉公にやってくる。性格も価値観も全く異なる二人は、悶(もん)着に巻き込まれながらも、やがてお互いに影響され合う…。第二部は、「浪花の秋祭り」と銘打ったビッグショー。それぞれのヒット曲や、新曲「嘘よ」(前川)、「京都二寧坂」(中村)のほかに、昭和の名曲の中から、前川は“女の情”を、中村は“男の世界”を切々と歌い上げる。

客席との掛け合いなど、独特の盛り上がりが実に楽しい。歌の醍醐(だいご)味も、ユーモアの神髄も知り尽くした、ベテラン二人の余裕と気配りが伝わってくる。

(文筆業 あさかよしこ 

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