どんなスポットか、ピンときますか?

1面で紹介した四つのスポット。それぞれ、どんな場所か想像できましたか。答えはコチラです。


「19世紀ホール」には、蒸気機関車やピアノなどが展示されています

蒸気機関車の高さは約5m。車輪だけでも直径約1.5mあるとのこと。間近で見ると、なかなかの迫力です!

荘厳な音色を響かせる「アーレンオルガン」。こちらは20世紀以降に作られたパイプオルガンです

19世紀は、科学技術や芸術が花開いた時代。そんな時代を代表する蒸気機関車やピアノが展示されているのが「19世紀ホール」です。

ホールに一歩入ると天井高のある空間が広がり、中央には観光客でにぎわう喫茶スペースが。その奥で存在感を放っているのが、お目当ての蒸気機関車です。大小4台あり、蒸気を通すパイプや煙突、大きな火室などを間近で見ることができるんです。1面の写真の機関車と合わせると5台あるんですね。

室内の蒸気機関車の前には、〝ベーゼンドルファー〟というグランドピアノが。人間が聞き取れる限界の低音を作り出せるとのことで、19世紀に活躍したベートーベンやモーツァルトも愛用したそう。自動演奏で常時、その音色を楽しめます。

パイプオルガンに電子技術を融合させたアーレンオルガンなども展示されています。

京都市右京区嵯峨天龍寺車道町、TEL:075(882)2458。午前8時30分〜午後5時、水休(祝日や紅葉の時期には水曜も営業)。入場無料

ドイツの文化を京都に!「ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川」

図書室の開館時間は火〜土の正午〜午後5時30分。家具やライトなども、ドイツのもので統一され、ゆったりとしたスペースです

現地のレシピで作られた料理やケーキが味わえるカフェが併設されています

「『ゲーテ・インスティトゥート』はドイツの公的文化機関で、世界98カ国に、ドイツ語の普及促進やドイツ文化紹介の拠点として置かれています」と同施設の広報・中尾文香(あやか)さん。やはり、文豪・ゲーテから取られた名前だそう。

日本には東京や大阪などにもありますが、京都では別荘という意味を持つ〝ヴィラ〟も名前に付けられています。ドイツの芸術家が滞在し、創作活動を行っているのだとか。

注目は、1階にある図書室。本棚にはドイツの現代芸術・文化を中心とした書籍や雑誌、絵本などが並び、DVDも。誰でも無料で利用でき、開館時間内であれば、館内のカフェに本を持って行って読むことも可能。

同図書室では月に2回、ドイツ語を学ぶ人を中心とした交流イベントを開催。次回は9月30日(土)、語学力のレベルは問わないそう。こんなに身近にドイツを感じられる場所があったのですね。

京都市左京区吉田河原町19-3、TEL:075(761)2188

〝電気〟と〝電波〟の神社だから、「電電宮」

参道の途中を左に進むと「電電宮」が。青々としたモミジに囲まれています

左から時計回りに、本尊の画像入りの「マイクロSD御守」(1200円)、スマートフォンに貼るシールタイプのお守り500円、通常のお守り700円

スポット名と1面に出てきたエジソンの名前を見て、分かった人もいるかも? ここは、電気電波業界の発展を祈願して造られた神社です。

「電電宮」があるのは渡月橋の南側、山あいの法輪寺の境内です。歴史をひもとくと、法輪寺の鎮守社で、雷の神「電電明神」を祭っていた「明星社」が幕末に全焼したことにさかのぼります。時を経て、1956年に「電電宮」として再建されたそう。

山門をくぐってすぐの所で目に入るのが、1面の写真の「電電塔」。電気・電波発展の功労者のために建てられた供養塔で、左右にはエジソンとヘルツの肖像が。「エジソンは京都の竹を使って発明品を作ったため、京都ともゆかりがあるんです」と法輪寺住職・藤本高仝 (こうぜん)さん。

今、こちらで人気なのがマイクロSD型やスマートフォンに貼るシールタイプのお守り。さすが、〝電〟に関わる神社です!

京都市西京区嵐山虚空蔵山町、TEL:075(862)0013

儒学者・賴山陽が風景をめで、思索にふけった書斎「山紫水明處」

部屋からは、東山と鴨川を望めます。障子には外国から取り寄せた板ガラスがはめられ、天井には琵琶湖のよしが並べられるなど、建築に興味のある人も多く訪れるそう

かやぶきの平屋建てで、内部は4畳半の主室と2畳の次の間、約1畳の水屋などで構成されています

こちらの正式名称は「賴山陽書斎山紫水明處」。賴山陽とは江戸時代後期の儒学者で、晩年を京都で過ごしました。このときの自宅を「水西(すいせい)荘」といい、その離れが国定史跡「賴山陽書斎山紫水明處」です。

案内をしてくれた賴純子(すみこ)さんによると、〝山紫水明〟という言葉を作ったのは山陽なのだとか。

「夕方、太陽が西に沈むときに山が紫に見え、そのふもとを流れる川がきらきら輝く─。故郷の近く、尾道で見た風景を表したものです。特に気に入っていた言葉だと聞いています」

この館がその言葉にふさわしい場所と感じて名付けたのでしょう。鴨川の景色をめでながら思索にふけった学者の横顔が目に浮かぶようです。

京都市上京区東三本木通丸太町上ル南町、TEL:075(561)0764。見学は「頼山陽旧跡保存会」に2週間前までに往復はがきで申し込みを。12月中旬〜3月中旬、8月は休館となります

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