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コレ読んで!

山の家 クヌルプ

編著/エクリ エクリ・2160円

その山小屋は創業60年。主人夫婦が語る、豊かな高原での日々

霧ケ峰高原沢渡で60年続く山小屋「クヌルプ・ヒュッテ」。ドイツの文豪ヘッセが描いたさすらい人の名を冠した小屋を営む夫婦のこれまでを淡々と聞き書きした、静かな思索へと導く1冊。

都市から離れ「無駄事」ばかりだという仕事に明け暮れ、熱心に読書する生活は、常に情報とつながりにさらされる現代とは一線を画する時間を感じさせます。来ては去る旅人たちの思い出の背景に、戦後60年の移り変わりがうっすらと浮かび上がります。主人が思い描く「理想の山小屋」の挿画と「クヌルプ」の細部を捉えた写真が美しい。せわしない日常に疲れた人に手にとってほしい、ページを閉じるたび深呼吸したくなるような本。

【紹介者】
誠光社 堀部篤史さん

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