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宇治の名所や歴史が63句のかるたに

名所や歴史、キャラクターにスイーツも!宇治にまつわる句が詠まれた「歴史散歩かるた」が、昨年末に完成しました。遊んでいるだけで、宇治について詳しくなれそうな全63句。貸し出しも実施されていますよ。

「ふれあいサロン川東」は代表の上田さん以外に、15人のメンバーで運営しています

取材日当日、「ふれあいサロン川東」のメンバーにかるた遊びをしてもらいました。絵札を見つめる目が真剣です

「これなんかも、なかなかの力作です」とかるた制作を企画した「ふれあいサロン川東(かわひがし)」の代表・上田信一さんが手に取ったのは、「縣(あがた)はん 孫にせがまれ リンゴ飴」と書かれた読み札。宇治市で毎年6月に行われる、あがた祭での情景が目に浮かぶような一句です。

このほか、「平安の 極楽浄土 平等院」「三室戸寺 つつじ紫陽花 蓮の花」「憩いの場 太陽ヶ丘に 声弾む」など名所にまつわる句や、「新茶には ご当地キャラ おうじちゃま」「ラテとオーレ 子供が大好き宇治抹茶」といったキャラクターやお茶に関する句、「篝火(かがりび)や 水面に映えて 鵜飼舟」など伝統行事についての句、源氏物語の宇治十帖にちなんだものも。すべての句に、宇治にまつわる事柄が登場しています。

完成まで約2年 名所の解説付きです

同じ音で始まる句も数枚あるため、全部で63句となっています。宇治抹茶にちなんで、かるたのふちは緑色に。かるた取り以外にも、七並べなどの遊び方を提案するゲームのしおりも付いています

作成したきっかけを上田さんに尋ねると、「近隣の市町でかるたを作っているところがあることを知って。宇治にはたくさんの名所があるので、それらを題材に取り組んでみたいと思いました」とのこと。

募集は、2年前の夏から開始。「ふれあいサロン川東」が、宇治市菟道学区在住の高齢者の居場所として開いているサロンの参加者たちに声をかけました。そうして集まったのが約450句。

「思った以上にたくさんの応募がありました。なるべく五七五となっている、読みやすいものを選考しています」

選ばれた63句は、より味わいが出るようにと、読み札を宇治市にある菟道高校の書道部に、絵札を京都嵯峨芸術大学の学生などに依頼。それぞれの句に登場する名所や伝統行事について、詳しく説明する解説書も上田さんが中心となって作りました。

「解説書もそうでしたが、63句の試作品を作るのにもひと苦労。何度も失敗して、モノづくりの難しさを痛感しました。昨年末の完成まで約2年もかかったんです」

完成後は、サロンで子どもたちも交えてかるた大会を開催。

「地元の子どもたちが、『あっ! ここ知っている場所や』と喜んでくれたのはうれしかったですね。今後も、高齢者の認知症の予防や、さまざまな世代の交流にも役立てていきたいです」と上田さん。

かるたや解説書は、同サロンのホームページ(http://www.aztec.gr.jp/uji/)で見られます。「歴史散歩かるた」で検索を。また、貸し出しも実施中。希望者は、「ふれあいサロン川東」の上田さん=携帯電話:090(3353)3235=へ問い合わせを。

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