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親子の会話をもっと深めるために
子どもの言葉に耳を傾けていますか?

学校のこと、友達のこと、将来のこと…。子どもの話をどんなふうにきき、子どもたちにどんなふうに話をしていますか?
いつにも増して親子の触れ合いの時間が多くなる夏休み。この機会に、親子のコミュニケーションについて考えてみませんか
※この紙面では、子ども=小学生~高校生としています
※文中の読者の声の後のカッコは、(子どもの学年と性別・ペンネーム・読者の年齢)です

子どもにききました 親との会話どう思う?

会話は親子の心をつなげるもの「親子の会話には、子どもが話す技能やきく態度を身に付けたり、親が子どもをしつけたりする役割があります。ですが一番大切なのは、『自分のことを理解してほしい』という子どもの欲求や願いを受け止めること。会話を通して受け入れられている、心がつながっているという気持ちを育てることです。これが子どもの生きる希望となり、心の安定につながります」と教えてくれたのは、京都女子大学発達教育学部児童学科教授の森下正康さん。
「会話には信頼関係が必要です。そのためには、心配事をじっくりきいてくれる、困っているときに元気づけてくれる、話がしたいときに話をきく時間を十分につくってくれる…、そんな子どもを受け入れる態度や言葉がけをするように、日ごろから気を配りましょう。そのうえで、親はきき上手になることが大切。子どもの立場に立って、あたたかい態度で子どもの感動や考えに耳を傾け、よく理解しようと努めてください。そして、間違っている場合は、一通り子どもの話を聞いたあとで『そうか、でもお父さん、お母さんはこう考えるけど、どう?』と異なる考え方の視点を提示して、考えさせると良いでしょう」

量だけではなく、質も大切ここで、親子の会話に関するデータを見てみましょう。
京都市を含む、全国19の政令指定都市の教育センターが、小学4年生、6年生、中学2年生を対象に平成25年に行った調査によると、「あなたは、家の人と、毎日の生活のことや学校のことなどについて話をしていますか」という問いに対して、「よく話をしている」と答えたのは、40・8%。「ときどき話をしている」41・2%と合わせると、8割超の子どもが「話している」と答えています。

リビング読者の親子の会話の実態とは

教えてくれた人

京都女子大学発達教育学部児童学科教授の森下正康さん。「きき出そうとせず、子どもが話したくなる関係を築くことが大切。どうしてもききたいことがあれば、あなたのことを心配しているということを言葉や態度で伝えてみてはどうでしょうか」

続いて、親がどう感じているかをリビング読者にアンケート調査(有効回答数36人)。「子どもとの会話は多いですか。それとも、少ないと思いますか」という問いに「とても多い」もしくは「多い」と答えたのは母親は78%、父親は57%でした。

ふたつの調査結果を考え合わせると、子どもも母親も、8割程度が会話は多いと感じていることが分かります。ですが、父親は母親に比べて、親子の会話は少ないと感じているという結果に。読者アンケートによるとその理由は、「生活のリズムが合わないことに加え、小言が多いので子どもが嫌がる」(小5女・でぐじゅん・45歳)、「話がかみ合わない」(小6男、高2男・DR・48歳)、「父親が無口だから」(小6女、中2女・ST・46歳)などがありました。
「もしお父さんが忙しくて、子どもとの会話の時間が少ないなら、『昨日お父さんがあなたのことをこんなふうにほめていたよ』というようにお母さんがカバーしてあげると良いでしょう」(森下さん)

ただ、会話は多ければいいというものでもないと森下さん。「量だけではなく、質も重要。いかに心のつながった会話をしているかということが大切です。表情や感情で伝わるものもありますね。優しい、あたたかい、楽しい、喜んでいる、笑っている…。このようなポジティブな感情をお父さんやお母さんが普段から多く表現していれば明るい家庭となるでしょう。その土台の上に親子の信頼関係が築かれて、会話が生まれてくると思います」(森下さん)



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