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集う、つながる、発信する 
活動のキーワードは、“地域”です

住んでいる街、愛着ある地元のために自分たちができることを━。そんな思いから始まった取り組みが、京都の各地で行われています。方法はさまざまですが、共通のキーワードは“地域”です。

自宅のガレージを開放 交流と見守りのきっかけに親睦喫茶

(画像左) 親睦喫茶に集まったみなさん。「お元気で何よりですね」とあいさつを交わしたり、初対面の人同士が自己紹介する光景も
(画像右) 平井さんは「元気のしるし」も発案。「地域の高齢者世帯に提案している7色の札です。曜日ごとに決まった色の札を玄関にかけてもらい、安否確認につなげています」

「コーヒー飲みにきたよ」「あ、来てくれたん。おおきに!」
ここは、右京区北梅津学区開キ町。近隣のみなさんを笑顔で迎えるのは同町自治会の会長・平井保行さん。平井さんは昨年3月から、自宅のガレージを「親睦喫茶」として開放しています。
「この町に住む一人暮らしの人が、気軽に会話を楽しむ場をつくりたいと思ったのがきっかけ。自分ができる範囲で始めるには『ここしかない』と思いガレージを開放することにしました」。昨年は23回実施し、のべ85人が参加したのだそう。
「誰も来られない日もありますが、大切なのはあきらめずに周囲に働きかけ続けること。中には『応援してるよ』と声をかけてくれたり、お菓子をカンパしてくれる人も。励まされるような、うれしいこともちょくちょく起こるんです(笑)」コーヒーを飲みながら、「ここで過ごす時間が楽しみ」「地域にとって大切な場所。ありがたいです」とみなさん。
「活動を通して、住民が互いに見守り合い、助け合える街にしていくことが目標です」(平井さん) 親睦喫茶は毎週土曜日の午前10時〜11時30分。
問い合わせは、平井さん=TEL:090(4283)3314へ。



歌って、踊って防災を呼びかけます!パープルフレンズ&むらさきっず

(画像左) コーラスと振り付けの練習中も和きあいあい
(画像右) 林正則さんと学生メンバー。「この歌で、紅白歌合戦に出場するのが目標です!」

北区紫野学区の自治会館に、同学区に住む一人暮らしの高齢者を中心に結成されたコーラス隊「パープルフレンズ」が集合。元気いっぱいに歌うのは「防災かぞえ歌〜今こそ問われる地域力〜」です。この歌は、同隊と、佛教大学の学生グループ「むらさきっず」が共同で作詞作曲。
「防災講座なども実施したんですが、いっこうに盛り上がらない(笑)。そこで、メンバーが思い浮かんだ防災にかかわる言葉を、学生たちが歌詞にアレンジ。振り付けも取り入れ、ほかの地域でも楽しんで歌ってもらえるような歌を目指しました」と、パープルフレンズの一員で、紫野社会福祉協議会会長でもある林正則さん。
軽やかな曲調とユニークな歌詞が好評で、出張コンサートの依頼も増えているそう。 「ステージは緊張しますが、歌い終えた後の気分は格別です」「若い人が一生懸命サポートしてくれはるので、頑張らないと!」。メンバーの言葉に、「明るさにパワーをもらっています」と学生のみなさん。チームワークもバッチリですね。
11月10日(日)の「紫野まつり」にも出演。
問い合わせは林さん=TEL:075(441)1646へ。



地元ならではの“分かる!”がいっぱいです第一回 京都本大賞

北山さんが手にしているのが、43作品の中から、最終ノミネート作に選ばれた「回廊の陰翳」(広川純作/文春文庫)、「珈琲店タレーランの事件簿」(岡崎琢磨作/宝島社文庫)、「史上最強の内閣」(室積光作/小学館文庫) ※大賞は、11月3日(祝・日)にホームページなどで発表されます

読んでいる本に、京都が登場すると作品がグンと身近に感じられますよね。
「京都を取り上げた文学作品は数多くあるんですが、今までそれらを対象とした文学賞がなかったんです」。そう話すのは、京都の書店「恵文社」の北山耕三さん。
そこで北山さんが発起人の一人として今年、創設したのが「京都本大賞」です。これは、過去1年間に発表された京都を舞台にした小説の中から、地元の「ぜひ読んでほしい」作品を選び、一般読者の投票で大賞を決定するというもの。
「府内の書店や出版社などが垣根を越え、一つの取り組みに協力するのは初の試みです。賞を通して、京都への関心や愛着をより深めてもらえれば」
現在、最終ノミネート作に選ばれた3作品から大賞を決めるべく、一般投票が行われている最中です! 「ノミネート作は、地名や京都人の言動など、“地元だから、わかる”描写にニヤリ、クスリとさせられるものばかり。作家の目を通すことで、いつもの街が違う視点で見られるかも」と北山さん。
投票は協力書店の店頭またはホームページ( http://www.books.gr.jp/ )で受け付け中。10月20日(日)まで。 「今後は、作品の舞台を訪ねるツアーなど、観光の呼び水にもなる文学賞に発展させていきたいと考えています」

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