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西山、光明寺、善峯寺…地元が題材!「乙訓地名詩」が完成しました
古今の漢詩から、乙訓の魅力を再発見

今年4月、乙訓地方が題材の漢詩を集めた「乙訓地名詩 第一輯(しゅう)」が完成しました。平安時代から現代まで、乙訓の地で生まれた多彩な漢詩が収録されています。編さんを手がけた「チーム乙訓」を訪ね、その魅力を聞いてみました。

「漢詩の故郷を巡る会」に参加したチーム乙訓のメンバーと、ガイドを務めた坂下さん(前列右端)。鵜野さんは後列左端

西山や淀川、乙訓寺、光明寺、善峯寺など。「乙訓地名詩」は、乙訓地域の自然風景や名所ごとに平安時代以降の漢詩153編が収録されています。作者は嵯峨天皇や空海をはじめ、地元にゆかりのある明治期の文人や神職なども。

「乙訓地方はかつて、知識人や文人が集うサロンのような地であり、ここを舞台に多くの漢詩が生まれました」と話すのは代表・鵜野高資さん。

鵜野さんは、約7年前から漢詩愛好家のグループ「紫友漢詩クラブ」で活動。「長岡京市の友好都市である中国の寧波を訪れたとき、地元で刊行された地名詩を見て、『負けていられない!』と刺激を受けました」

そこで、約40人のメンバーとチーム乙訓を結成。地元の古文書や史料をたどりながら過去の作品を収集、メンバー自作の漢詩も収録されています。

「完成した地名詩には、漢詩を通して、自分たちの住む街の理解を深め、誇りと愛着を持ってほしいという願いを込めています」

 

歴史や文化に触れる活動も

「乙訓地名詩 第一輯」。表紙の題字や、版下の制作などもメンバーが手掛けました

同チームでは、地名詩の完成をきっかけに、地元の歴史や文化に触れる活動にも取り組んでいます。

記者が訪ねたのは、4回目の「漢詩の故郷を巡る会」の実施日。乙訓地方の歴史や地元の文人たちの足跡などが紹介された後、名所・史跡の見学へ。いつもの風景が新鮮に見え、漢詩もより味わい深く感じられます。

「地名詩が完成したから終わりではなく、ここが出発点。漢詩を生み出した乙訓という地の魅力が発信していけるよう、今後も勉強会や講演会といったいろいろな取り組みを展開していきたいですね」(鵜野さん) 

「乙訓地名詩 第一輯」は、長岡京市立図書館、向日市立図書館、大山崎町立図書館などで閲覧可能。9月には、複製版を発行予定。2013年3月には第2集の編さんも検討されています。
問い合わせは、鵜野さん=080(5712)8695=へ。

●漢詩の故郷を巡る会

 「勝龍寺と細川幽斎」  10月4日(木)午前9時〜

●講演会

 「明治の漢詩世界と乙訓」  9月1日(土)  午後1時〜3時30分  中央公民館2階学習室

●地名詩勉強会

 9月13日(木)  午後6時〜8時  バンビオ(JR「長岡京」駅 下車、すぐ)

※いずれも予約不要・資料代(300〜500円)別途要

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