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水辺で夢をかなえる活動が進行中 町中でホタルが見たい!

水辺で夢をかなえる活動が進行中
町中でホタルが見たい!

前のページで紹介したように、ホタルを水辺に呼び戻す活動が増えています。そこで、特に保護されることが多いゲンジボタルについて龍谷大学理工学部環境ソリューション工学科教授の遊磨正秀さんに聞きました。遊磨さんは、ホタルの生態と環境の関係を調べていて、国の天然記念物にも指定されている清滝のホタル調査にも関わってきました。

環境教育でホタルについて学ぶとき、知っておきたいことは?

ホタルが少なくなったら補充する、という数値的な考え方でなく、勝手にホタルが居着く自然環境を考えることが大切。イベント的に数を増やすだけでは、環境保全とは離れたものになってしまいます。桜が苗木から樹木になるのに時間がかかるように、ホタルも自然発生するのに時間がかかるのは当然。結果を急ぎすぎずに、待ってみるのもいいですよ。長年、京都でホタルを観察してきた実感として、気候条件や年度によって、ホタルの数が急激に増えたり減ったりします。発生が少なくても、環境さえ整えていれば、心配しすぎることはない気がします。自然界には独自のバランスがありますから。

ホタルを観賞するコツは?

私たちは、明るい場所を歩くのに慣れてしまっているけれども、暗がりでも、明かりをつけずに歩くことを意識してみましょう。ホタルは夜行性で光が大敵。怖がる子どもが、大人に手をひかれてやっと歩けるくらいの暗さがおすすめ。自然を通じて親子の交流もしてください。暗ければ暗いほど、遠くにいるホタルの光もよく見えますし、ホタルの動きもダイナミックになります。

ホタルは本当に水のきれいな所にだけ、いるのですか?

ほどほどにきれいな所であれば、生息します。また、水の流れが適度にゆるい所は、富栄養化しますのでエサのカワニナ類が育ちやすく、ホタルも育ちやすいですね。ホタルは、はかなげな印象をもたれがちですが、肉食ですし、環境がゆるせば生命力の強い虫です。ただ、幼虫の間は川底にいて目視できず、成虫になる時期が限られているので、科学的に環境を評価する指標としては、実は向いていません。でも、ホタルが増えて困ることは少ないので、人が自然環境を見直す動機としては、いい役割を果たしていると思います。

■教えてくれた人
龍谷大学理工学部
環境ソリューション工学科教授
遊磨 正秀さん

ホームページ「遊磨の蔵」の「ぶらりホタルダス」にて、2011年までの京都・滋賀でのホタル観察記録を紹介

京都市では、平成22年度から、自然を次世代に引き継ぐ行動のきっかけとなるよう、生き物の目撃情報を募集する「京のいきもの発見」(身近な自然度調査事業)を実施。今年度も6月〜11月に募集、報告された情報は「京のいきものマップ」としてホームページ上で月ごとに、公開されます。参加無料。

参加方法

生き物を見つける(ホタルだけでなく、すべての生き物が報告対象)

日時・場所・名前をメモする

はがき、FAX、メールのいずれかで、まちなかで見つけた生き物の情報(いつ・どこで・何を見つけたか)を報告

宛先は、京都市環境政策局環境企画部環境管理課
〒604-8101
京都市中京区柳馬場通御池下る柳八幡町65番地京都朝日ビル4階
FAX:075-213-0922
メール:k-kyosei@city.kyoto.jp
募集期間中に配布する「京のいきもの発見ガイド」を手にする京都市環境政策局 環境管理課 明石真祐子さん。「ご家族で楽しみながら参加してください。10年先を見据えて継続する息の長い事業として目撃情報を大切にまとめています。生物多様性の観点から、危機的な生物、京都の町のシンボルになるような生き物について、生活の中で気づいてゆける資料になると思います」

昨年、制作された「京のいきものマップ」では、約3400件の報告がありました。→京のいきものマップはコチラ

京都ほたるネットワークの調査で ホタルの飛遊が確認されている川

※平成23年度の観測より。ホタルの発生状況は毎年変化します

糺の森、参道の市めぐりも楽しい
【蛍火の茶会】

時間/ホタルの放流:午後8時~(予定)。午後1時~納涼市、午後5時~蛍火の茶会⃝内容/午後8時ごろに約500匹のホタルが大カゴより御手洗川に放たれる。見学無料。散策自由。
なお、昼から参道に和菓子、つけもの店など20数店が出店する納涼市を開催。中門前で奉告祭斎行。橋殿・細殿に茶席が設けられ、ホタルとササの入ったカゴ、季節の草花のしつらえを観賞できる。神服殿では雅楽の演奏や王朝舞など。京都市左京区下鴨泉川町59(市バス「下鴨神社前」停、「糺ノ森前」停すぐ)、問い合わせ=TEL:075(781)0010


宇治のホタルの歴史もわかる
【蛍ナイター】

時間/日没〜午後9時30分(入園は午後9時まで)⃝内容/園内に飛行するホタルを観賞。園内「緑の館」では、展示会「宇治の蛍」やDVD「蛍&宇治市植物公園の花」の放映を実施。※6月9日(土)午後3時30分〜4時45分に宇治歴史資料館主任坪内淳仁さんの講演会「宇治の蛍」あり(植物公園研修室、当日先着36人)。いずれも入園料のみで参加可⃝料金/蛍ナイター・夜間入園料金(午後4時以降)=大人(高校生以上)300円、小中学生150円。アクセス/宇治市広野町八軒屋谷25-1。路線バス「植物公園」停すぐ。期間中、土日の午後5時〜9時30分の間のみ、無料シャトルバス「ほたるバス・すいすい号」が宇治市役所駐車場と植物公園バス停間を15分ごとに運行。月曜休園。問い合わせ=TEL:0774(39)9387

【ホタルを見るときの注意】

車や自転車のライト、懐中電灯は切る。ホタルがいそうな場所に、光をあてない

カメラのフラッシュをたかない(携帯電話のカメラも同様)。ホタルは夜行性で、一瞬の光にも弱く、活動しなくなる

住宅街では静かに

川にゴミを捨てない。水が汚れるとホタルが育たない

ホタルを捕獲しない

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